北方水滸伝
虫の鳴く声のみが響く夜更け。仄かに明かりが灯っている部屋に静かに、失礼します、と軽く断り入る。
そこには目的の人物はいなかった。いや、正確には起きていなかった。
「そうだな。今日、帰ってきたのだものな」
ぽつり、と納得したかの様に呟いた声量は、かなり控え目だった。
眠っている林冲の手には、騎下の兵の癖等が書かれている分厚い書類が握られていた。恐らく、眠る寸前まで見ていたのだろう。
うつ伏せで眠る様が何時もの雰囲気と違って、些か可愛らしさを感じた段景住は明かりを消し、静かに扉を閉めた。
※林冲の寝方がうつ伏せだったら良いね。誰得?我得です。
