第一章
Name Change
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「お前たちテニス部マネージャーになれ」
そう言われた私たちは抗議した。それこそ全力で。
テニス部のメンバーも初耳のようで驚いている。さすが跡部。どこまでも俺様だ。
「フランス革命並みに血みどろの抗議になるよ!テニスコートだけに!」
「まつ、うまくないから」
「私バカだから笑いどころが分かんねぇんだけど!」
「なんやこの子たちめっちゃ元気やん」
「くく、面白れえ。お前らも前からマネージャーほしいって言ってたじゃねぇの」
「まあそうだけど」
「けどこいつらでほんと大丈夫かよ」
「全国大会が終わるまでの期間限定でいいさ」
「俺はこんな子たちなら大歓迎だC」
「俺はちゃんと練習できればそれでいいです」
ちょっと何か勝手に、なる前提で話しているんですですか。期間限定とはいえ、やらんぞ。大丈夫かと心配している向日さんよ、もっと周りのバカたちに推せ。2年の日吉と言った子は呆れて早くテニスをしたそうにしているよ。
どうしようか顔を合わせる私たち。そんな中、たけがため息をつき「仕方ねぇな」と声を上げる。
その発言にテニス部面々はマネージャー承諾だと思ったようだ。跡部が満足そうな顔をしている。
けれど、私やうめはたけが何を言うか分かった。
「テニス部だろ。テニスで勝負しようぜ。私が勝ったら、マネージャーの件はなし。それに二度と関わるな。で、アンタたちが勝ったらマネージャーになればいいんだろ。期間限定の。どうだ?」
怪しげに笑ったたけ。テニス部は驚いたような顔をする。
「お前テニスできんのか?」
「できなかったらこんな勝負するわけねぇだろ。で、どうすんだ?」
「いいだろう。ただ、体力差もあるだろうし、何より俺たちは氷帝テニス部だ。セットマッチでなく、タイブレーク式でどうだ?」
「いいぜ。おらラケット貸せや」
ロン毛の男、確か宍戸って名前だった気がする男がたけにテニスできるか聞いたが愚問だ。
そんな流れで、タイブレーク式であるがたけはテニス対決することとなった。対戦相手は先ほどテニスができるか聞いたロン毛で、やはり宍戸だった。
「たけ。大丈夫?」
「なんの心配してんだよまつ」
コートの外で、肩を回し準備するたけにうめと共に声をかける。うめも心配そうな面持ちをしている。
「無理しないで」
「当たり前だろ、心配すんな」
テニス勝負の勝敗に関しては心配していない。それよりも私たちが心配しているのは……。たけもそれが分かったみたいでうめの頭に手を置き、私の肩をたたいた。
「ま、ちょっと行ってくるわ。試合じゃないし、タイブレーク式だからほんとに大丈夫だって。応援よろしく」
コートに向かうたけ。
その様子を跡部がじっと見ていたことは知らなかった。