第一章
Name Change
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あれからまつはいいこと思いついたといって、何か作戦を練っていた。二人に耳打ちをして成程と二人も「あまり乗り気はしねぇが仕方ないな」と笑っていた。
どんな作戦で行くのか聞くと、「滝、木を隠すなら森の中だよ」とか言ってウインクしてきた。そして、テニス部の主な人物の名前と簡単な外見特徴を教えてくれと言われたため教えた。とりあえず今日の放課後はテニス部に来てくれるらしい。
何事も起きなければいいが、と願う。けど景吾君があれから何か考え事をしている様子は目にした。なんか悪いことを考えていそうだ。
それに、この3人をテニス部のメンバーに知られるのはなんだか少し寂しい気もした。
「おい、滝ほんとに来るのかあいつら」
「約束は守る子たちだから来ると思うよ」
「どんな子か興味あるCー」
「先輩たちは何やっているんですか」
準レギュラーの日吉が呆れたように言う。準レギュラー一番の実力の彼はレギュラーと同じメニューで練習を一緒にしている。そうだ日吉、もっと言ってやってくれ。
そんなやりとりをしていると、部室の扉をたたく音がした。
「おーい滝ー来たよー」
「来たみたいだ」
まつの声だった。なんかいつもよりワントーン高い気がする。俺は扉を開けて3人を出迎えた。
「キャーこれがテニス部の部室なんですねー」
「素敵ーテニス部サイコー」
「部室に入れるなんてうめ感激。きゃっきゃ」
「……」
何をやっているんだ彼女たちは。部室にいたメンバーも唖然としている。なんか頭にテニス部ラブとかかかれたハチマキを巻いている。それにペンライトをもっている。なんだこれは。
しかも若干棒読みだし。
「おい、なんだよこいつら。俺たちに興味ねぇとか嘘じゃん」
「私たちテニス部に興味ありまくりんぐです!」
向日が言うとまつがにやりと笑って敬礼をしながら言う。……なるほど、木を隠すなら森の中といったのはこれか。微妙にニュアンスが違う気がするが。
「けどなんでそんな棒読みなん?」
「それは緊張しているからですわ」
焦って口調すら変わっているたけ。
「なんでペンライト持ってるんだ?」
「え、だってファンで応援っていったらペンライトでしょう?」
誰もが気になっていた疑問を宍戸が口にする。いや、氷帝の応援でペンライトなんて見たことない。なんのライブ会場だ。
「おい、お前ら、それ演技だろう」
「……」
景吾君に言われ固まる3人。向日は「は?演技?なんで?」とか言っている。多分気付いていないの君だけ。
「な、何を言っているの跡部。そんな訳ないでしょう。私たちテニス部大好きなんだから」
「ほーう。俺様のことを呼び捨てにする雌猫がいたとは」
「なにその自信!きも!……っと、緊張しちゃっているだけですよ跡部様」
「そうですよ跡部様」
「ねー」
だめだ、もう素が出ている。必死に取り繕っているが無理だ。
そんな3人の様子に景吾君はにやりと笑う。あ、何か悪いこと考えているな。
「なら、こいつの名前を言ってみろ」
そう示したのは日吉。今まで冷めた目をして俺たちをみていた日吉も急に話をふられ、びっくりしている。氷帝テニス部の2年で名前を教えた3人のひとりだ。とまつに目線を送る。
「ふ。簡単だわ。その特徴的な髪型!あなたは向日様ですね!!」
「ちげーよバカ!!」
「え??」
自信満々に言ったまつにたけが突っ込む。そうかたけは同じクラスになったことがあるのか。
「向日さんじゃありませんよ」
「えぇええ、だって滝!髪型が特徴的って……」
「滝。俺の特徴髪型って教えたのか」
「それ以上喋らないでまつ」
穴があったら入りたい。滝騙したなこのやろーとか言ってくるまつはいっそ穴に埋めてくれ。
「ふっ、テニス部の2年の日吉、樺地、鳳を知らねぇで応援している奴はいねぇよ。やはり演技だったな」
「なんで演技なんかしたん。必死な感じは可愛いかったからええけど」
忍足の発言にオエーとか言ってる彼女たちはもう女性失格なのではないか。
「まあ、そんなわけで何かバレけど、一応ここには来たし約束は果たしたということで帰ろう」
「お前のせいだろバカまつ!」
「ひどい!じゃあ、たけは答えられた?!」
「く、言い返せねぇけど、向日とは答えなかった」
「どうしようまつ、たけ」
「よし、とりあえず逃げるぞ」
そう言い、じゃ、と去ろうとするが、景吾君が「おい樺地」と名前を呼びまつたちの出口を樺地がふさぐ。
「ちょ、でか!邪魔なんですが」
「まあ聞け。お前たち、テニス部マネージャーになれ」
「はあ?!」
3人の声が重なる。部室にいたメンバーも驚きの声をあげている。
何か考えていそうとは思ったが……なんてこった。