第八章
Name Change
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氷帝が全国大会に出場できることが決まった。その日から早速練習が再開された。
私はその日、その連絡を受けたと同時に氷帝に向かいながら周助に連絡を入れた。周助も、氷帝が全国に駒を進めたことを喜んでくれた。今度は初戦で当たりたくないねといった話をした。
「皆がまた氷帝のユニフォーム着てる」
「まつ何か感慨深そうだね」
全国大会初戦まであと一週間だ。ちんたらやってられない。全国大会まで、部活を毎日開催することが決まった。今までポツポツと参加していた皆に檄を飛ばす。
「おっしゃー、あと一週間でビシバシ鍛えていくぞ!」
引退モードだった3年が全員戻ってきた。レギュラーは関東大会のあのメンバーで今のところいくようだ。リベンジを誓って。
そんな中、跡部が都合が付きそうな学校で合同合宿をする連絡を受けていた。何でも関西の方の学校も、一週間前ほどから現地入りをし練習をするとのことだ。それを活かし、場所は跡部が何とかすると言っていたが明日から2日間とは、相変わらずな急な予定に皆が呆れる。
不動峰や六角や山吹にも声をかけたようだが、急なことでもあったため都合がつかなかったようだ。
参加リストを宍戸と共に眺める。参加者はどうやら皆レギュラーのようだ。学校名と苗字だけが羅列されている。
「参加は、青学と立海と氷帝と四天宝寺か」
「なかなか強豪校が揃ってやがるな」
「四天宝寺って?」
うめの疑問に跡部たちが昨年度全国ベスト4の大阪の学校であることを伝える。
「ん?ここに忍足って名前があるけど、忍足って苗字が重なるなんて珍しいな」
「あー。それは従弟の謙也や」
「ええ?!」
うめと共に驚く。どうやら前に、中学受験の時に連絡を入れていたのはこの謙也という従弟らしい。今もちょくちょく電話をするくらい仲はいいようだ。あの忍足と従弟とか変態臭かったら嫌だななんて思いながら、先ほどから黙っているまつの方をみる。まつは合宿のリスト、特にその四天宝寺のリストをじっと見つめている。
「まつ?」
普段の雰囲気と違うまつに皆が少し疑問を持つ。
「ねえ。これって私たちも参加?」
「そうだな」
困ったように言うまつに跡部が答える。「ですよねー」なんて言いながらため息を溢し、改めてまつは持っているリストを眺める。その横から私もリストを眺め、青学の皆は知っているが、それなりの人数が参加する合宿に3人で回せるか不安になる。
「うげー、人数多いし大変そう」
「200人以上のマネージャーをしてんだ、余裕だろう」
「慣れってものがあるんだが」
「けど四天宝寺ってところ以外は、会ったことあるからよかったね」
「ああ、伝え忘れていたが、四天宝寺からも1名マネージャーが来るようだ」
「この根須って人?」
四天宝寺のリストの一番下に乗っている名前をうめが読み上げる。確かに氷帝のリストを見ると、私たちの苗字も入っていた。
どんな子だろうね、女の子かな男の子かななんて話をしている私たち。まつは終始無言だった。
明日から早速、短い期間ではあるが合宿が始まる。
この合宿が、あんなことになるなんてこの時は全く想像もしていなかった。