第四章
Name Change
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「まつー!」
今日は朝練がない日であったため、ゆっくり登校した私は校門のところでうめに声をかけられる。
息を切らしながらうめが来る。何をそんなに急いでいるのか。
「昨日ね……」
うめから告げられたのは、私が昨日天文部と立海大附属への出張をしている間、滝と宍戸がレギュラーをかけて試合をし宍戸が勝利したことだった。
「お。じゃあ宍戸レギュラーに返り咲いた感じ?」
「結果としてはね」
「滝は準レギュラーかー。シビアな世界だ。本人が一番悔しいだろうね」
そう話をしながら進んでいると、昇降口のところで人が立ちはだかる。避けようとしていたが、その人物は私の行く手を阻むように移動する。なんでしょうか。見ると短髪の氷帝生だった。誰?何の用でしょうか。
「レギュラーに戻ったぜ。まつ」
「は?」
親しげに私の名前を呼ぶ。レギュラーに戻った?だが、この声は聞き覚えがある。
「え、まさか宍戸?」
そうだと肯定するその姿に、私は思わず声を上げた。うめの方を見ると、知っていたようでそうなのよといった反応をしている。
昨日朝練の時は長かったよね。けど、うめが知っているってことは……
「まさか、二人で仲良く美容院に行ったの?」
「なんでそうなるんだよ!!第一うめは髪型変わってないだろ!」
「まつ。私と宍戸くんが二人でお出かけするわけないよね?」
「ゴメンナサイ」
バカ野郎と突っ込みを入れる宍戸と、黒い笑みを浮かべるうめ。
なんでも昨日、滝との試合の後、榊がレギュラー入りを伝えたのは宍戸でなく日吉だった。それに宍戸は抗議するも一度は跳ね除けられた。それでも宍戸は諦めず、自慢の髪を切り、再度懇願した。土下座までしたという。鳳と跡部の後押しもあり、再度レギュラー入りを果たしたとか。
「ハサミなんて準備して、はじめからそうするつもりだったの?」
「跡部にも同じこと言われたぜ」
「まじか……最悪」
跡部と同じ思考回路があったとは……。
にしても美容院には行っていないらしい。散髪スキル高いな宍戸よ。
うめから、この前抽選が行われた関東大会でのトーナメント表の結果が伝えられたことも教えてもらった。一日休んだだけなのに何かイベントが色々あったんだね。
なんと一回戦で青学と当たることになってしまったらしく、たけが複雑な表情をしていたとか。
教室に着くと、滝とたけが話していた。滝はたけに頭を掴まれている。これはきっと滝が何か弱音を吐いてたけに喝を入れられているな。
「やってみせるよ」
「おう頑張れ」
「滝くんならいけるよ」
「私も応援している。全国までまだまだあるからね」
「うめちゃんも。まつも知ったんだね。ありがとう」
そういえば、日吉もレギュラー入りが決まったって言ってたな。後で日吉にも声かけておくか。
そんなことを思っていたら、放課後の練習が始まる前に部室で真っ先に報告された。おめでとうと伝えておいた。