第四章
Name Change
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「まつー助けてー」
「悪い松山!これ、明日までなんだ。お前の頭をかしてくれ!」
「はあ?」
そう天文部の部長である友人に泣きつかれ私は今、天文部の皆と活動報告書を書いている。9割方でっち上げだが。だってほぼ活動していないし。
いっそのこともう廃部にすればと友人に言えば、いや夏の学校での天体観測は絶対したいし、文化祭のプラネタリウムは花形でしょ!だから絶対ダメ!と意気込まれた。いや別に花形じゃないと思う。
「あと運動会のまつの部対抗リレーでの爆走は皆楽しみにしているから」
「……そういえば、天文部の謎のシューティングスターってなに」
「私が考えたまつの異名!かっこいいでしょ」
「ダサい」
「なにおう!じゃあアストロミラクルシューティングスターで」
「絶対やめて」
そんなこんなで、今日私は氷帝のマネージャーをお休みしている。たけたちに伝言しといたから大丈夫でしょう。
とりあえずそれなりの形になった。解散するとき部員から今度何か貢ぎますまつ様と拝まれた。
「じゃあ提出よろしくと」
「まつも一緒に来てー」
「なんでよ。提出だけでしょ」
「教師からの信頼が厚いまつと一緒に渡せば内容の信憑性もあがるから」
何だそれは、と思いながらも、断るのも面倒だったので友人の付き添いを承諾して職員室へ向かった。
無事に活動報告書は受理され、時計を見るとマネージャーしに行くにしても微妙に中途半端な時刻だった。
「松山まつくん。丁度よかった。今日はマネージャー業はお休みか」
「げ、榊……」
「頑張れまつ」
エールを残し、天文部の友人は去っていった。薄情者め。覚えていろ。
「今日は天文部の方に行っていたので、時間も中途半端なんで帰ります」
「そうか。そんな中で悪いんだが、これを神奈川の立海大附属中学校に届けてくれないか」
「神奈川ですか?」
「今度の土曜日に行うテニスの合同練習の案内だ。前に送った資料で漏れがあってな。今から郵送では間に合わなそうなのでな」
「……今度は合同練習ですか。ファックスでいいじゃないですか」
「ファックスが壊れているらしい」
はよ直せ。仕方ない、と思い私は榊から書類を受けとる。
「頼んだぞ。では行ってよし」
お前が行ってくれ。
にしてもこの前は青学。今度は立海大附属中学校か。どんな学校だろうか。神奈川ということは、どこか寄り道して帰ろうかな。
そんなのんきなことを考えながら私は氷帝を後にした。
その頃、氷帝では宍戸が滝と試合をしていたなんて知る由もなかった。