第三章
Name Change
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青春学園に着いたはいいものの、テニス部がどこにいるのか分からない。第一この書類は誰に届ければいいんだ。職員室か部室か、うーんと悩むがとりあえずテニス部に行けばいいかと思い再びテニス部を探す。
テニスっぽい音がする方へとりあえず向かうか、と足を進めていると、何やら走り込みをしている人物がいた。その人物も私に気が付いたのか、他校生がなぜここにいるのかといった顔をしている。
「あのー走ってるところ悪いんだけど、男子テニス部どこにあるか知ってる?」
「俺たちに用事っすか。ちょっと待ってください。あと1周したら終わりっすから」
どうやら男子テニス部の人だったみたいだ。丁度よかったと思い、とりあえず待つことにした。
彼が再び戻ってきた。
「その制服、氷帝ですよね。この前は宣戦布告どうも」
また跡部がやらかしたなこれはと思った。確か不動峰に挨拶しに行くとか言ってたけど、青学にもしたのか。アホだ。
「ちょっとよく分からないけど。まあ跡部が迷惑かけたんだろうね。生暖かい目で見てやって。私は不本意ながら氷帝マネージャーをしている竹川たけ。俺様何様跡部様からこれを届けろって命令されてきた感じ」
そう言い合宿について書かれた紙切れを彼に見せる。彼は不思議な顔をしながら紙を見る。
「合宿の知らせっすか。なら、渡すのは部長でいいか。あ。俺は桃城武。案内するぜ。よろしくな」
そう言いさわやかに挨拶して案内をしてくれる桃城。悪い奴ではなさそうだ。にしても、なんで走っていたんだ。
桃城に連れられ、男子テニス部のコートにやって来た。氷帝だよな、などひそひそ話す声が聞こえる。不思議なものをみるような視線を感じる。こんな風に言われるあいつらマジで外で何やらかしている訳。あ、けど学校でのあのノリを外でもやってんのか。恥ずかしい。
桃城はコートに入るなり部長ーっと大きな声で部長さんを呼んでいた。確か、青学の部長は手塚だったか。
現れた人物の方を見ると、どうやら顧問が来たようだ。眼鏡をかけており、まっすぐにこちらに向かってくる。
「こんにちは。氷帝の竹川です。部長の跡部からこれを」
そう言い私は顧問に渡す。ああ、と言い受け取るとサッと書類に目を通していた。
「わざわざ顧問の先生が出てきてくださり恐縮です」
「……」
申し訳ないと思い伝えると、横にいた桃城が固まった。そして少し震えている。笑ってる?
顧問は書類から目をはなし、コホンと咳ばらいをする。
「部長の手塚だ」
「えぇええええ」
私の絶句は青学のコートに響いた。部長って高校生だったの、そんなことを言っているといや3年だ、と答える手塚に私は再度絶句する。
「お、同い年……」
「あ、たけさんって先輩だったんですね」
のんきなことを言う桃城に、手塚が桃城走り込みの後は球拾いだと伝え、桃城はコートに向かっていった。先ほど笑っていた仕返しかな。
「あ!あの時の氷帝生!」
先ほどの私の声にこちらを見たのだろう。その中の人物が、私に驚きこちらを見て驚いている。あの時の?そう言い声のした方を見ると、この前のケーキ屋であった3人組がいた。
「……あ。まじかぁ」
私は泣きたくなった。