第一章
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氷帝学園中等部。
桜も散り始め、生徒たちはそれぞれの思いを抱えながら新学年となった。
4月の様々な感情に溢れ活気付く校内に、各教室から明るい声が響く。
3年B組。
新しいクラスでそれぞれが挨拶をしながら、窓際の席で女子3人が抱き合いながら喜んでいた。
「いやっほー!3年目で、3年目にしてやっとまつとうめと同じクラス!3年B組というゴロもいい」
「そうだね。去年はたけだけ他クラスだったもんね。なんにせよ3人が一緒なんて嬉しい。これで何かと一緒に帰りやすいね」
「しかも苦手なテニス部いないし。ラッキー」
ほんとに、と他の二人もしみじみ頷く。その姿に近くの席に座っていた男子がため息をつき言う。
「あのー、それテニス部の俺がいる前で言っちゃう?」
「あ、滝くん」
「仕方ないだろ。テニス部の日頃のあの傍若無人さ、あの傲慢さ、そして何より」
「親衛隊の陰湿さとそれを野放し見て見ぬふりのあれ」
まつとたけが苦虫をかみつぶしたように言う。うめも困ったように笑っている。
滝としても言われたことに覚えがそれぞれあり、ため息をつく。主にあの人やあの人たちだ。
「けど滝くん。安心して。滝くんはいい人だと分かってるから。ほら、それに親衛隊の人も滝くんと話している分には無害だからさ!」
「うめちゃん、それフォローになってないし、むしろ虚しくなる」
うめの全く意味をなさないフォローに白くなりため息を再びこぼす滝。
「滝、ため息ばかりついてると幸せ逃げるぞ!元気出せ!」
「全く、なんでまたまつとうめちゃんと同じクラスで、そしてよりによってたけさんと出席番号前後なんだ……」
「ほんとにねー、どんだけ私たちは滝に好かれてるんだ。もー照れるなー」
「ねー」
元気いっぱいな3人組に、新年度早々ため息がつきない滝であった。