第二章
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まつはふぅと息を吐き、姿勢を崩した。
「早く来すぎたー暇ー」
早朝の氷帝テニス部。
誰もいない部室で今の時点で書ける日誌の欄を埋め、背もたれのところに頭をかけて天井を見上げる。
ドリンクをつくるにしても朝はそんなに量はいらないし、少し早い。
いつもそれなりに早いが、今日は特に早い時間に目が覚めてしまい、二度寝しようにも覚醒してしまって手持無沙汰になってしまった。以前なら、ランニングでもしてくるか、となっていたが、今はどうせなら早めに行ってテニス部の準備でもしていようと思えた。
いつもは誰かしらが必ずいるが今日は早すぎたのか、誰もいなかった。部室を一人で開けるのは初めてであったため少し戸惑った。以前、日吉と一緒に一番乗りだったときに開け方を教えてもらっておいてよかった。日吉に感謝だ。
「あー今更ながら眠くなってきたー」
4月から何やかんや朝早かったこと、マネージャー業で覚えることが多かったこともあり忙しかったのも事実。急ぎでやることもなく、天井を眺めていたら心地よい眠気が襲ってきた。
「少し寝るか」
そう一人ごちて、折角だし睡眠学習だ、と思いノートをとりだし椅子に腰かけたまま机に突っ伏した体勢でそれをパラパラと眺めていた。
そのまま静かに私は眠りの世界に入っていた。
まつが眠りの世界に誘われてから少しした頃、テニス部に新たに2人がやって来た。
「なんだ、誰かもう来ているのか」
部室は空いていそうだが、まだ誰もコートに出てはいない。この時間にいる部員は珍しい。外に人影がないため、部室にいるのだろうか。しかし、男子更衣室のカギは閉まっていて開けた様子もない。ということは、今いるのは選手ではない……。
舌打ちをし、樺地と共に部室へと足早に向かった。
部室の前にやって来たが静かだ。動いているような気配もない。
「おい、樺地」と声をかけると、返事をした樺地が部室をそっと開ける。
そこにいたのは机に突っ伏して寝ているまつだった。
マネージャーだろうとは思ったが、まさか寝ているとは思わなかった。自分の予想をいい意味で裏切ってくれたまつに思わず笑みが零れる。同時に自分が一瞬でも考えた内容を恥じた。
樺地に更衣室を開けておくように伝え、部室には寝ているまつと俺だけになった。
「全く不思議な奴だ。まつ。ここで寝てる奴はジローくらいだぜ」
そう言い、まだ朝は冷える季節のなか半袖でのんきに寝ているまつに自分の上着をかけた。
ふと、まつの手元にあるノートが視界に入った。眠る直前まで見ていたのだろうか。
そこに書かれていた内容に興味をもち、手に取りノートをパラパラと眺める。書かれているものに、思わず目を疑った。再び自然と口角が上がる。
「やはりお前をマネージャーにして正解だった。俺様の
満足げにつぶやいたあと、いいことを思いつきノートに書き足しをしていく。