テニスの王子様SS
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「待って永四郎」
なんですかと木手が伝える前に、木手は軽い衝撃と共に温もりに包まれていた。
「ふふ、永四郎を充電」
「なにやっているんですか貴女は」
己を抱きしめながら告げるなまえに木手は眼鏡をクイと指で押し当てる。冷静に装っているが、いつもより落ち着きのない様子が周囲にはバレバレだ。
「ありがと。元気でたよ。じゃあ行ってくるね!」
美ら海の水面よりも輝かしい笑顔を振りまきながらなまえは木手に手を振り背中を向ける。これで今日の試合も勝てるぞと拳を振り上げ、仲間の元に去っていったなまえ。
「ちばりよーなまえー!」
「今日もちゅらかーぎーばーね永四郎」
「永四郎?あい?永四郎が固まってるさー」
「あの人、水泳部の部長さんですよね。水泳の全国は今日からなんですね」
去っていく彼女の背中を見ながらテニス部の面々が感想を紡ぐ。唯一の後輩である新垣はいつも厳格な部長の珍しい姿と先ほどのやり取りに興味津々だ。
「なまえさん。ほんとに貴女という人は」
そう呟きながらも微かに笑みを浮かべる木手。
なまえを見る眼差しに比嘉中の全員がその愛情の深さを読み取った。
沖縄のサトウキビより甘い雰囲気を放つ二人に胸やけがしそうだと誰かがこぼした。
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