今日も一日お疲れ様
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在宅勤務主と柳
まどろみから静かに現実に戻って来る。机に突っ伏したまま携帯で時刻を確認する。
よかった。まだ何とか今日の日付だ。
締め切りが近いものがあり、上司の無理な要求から連日睡眠不足で、ぼんやりする頭をどうにかしなくてはと思い、仮眠をとっていたんだった。
さて再開だと思い、体を起こして伸びをする。なにか肩にかかっていたのか、それが床に落ちた。何だろうと思いみると、私が普段から使っている毛布が落ちていた。
どうやら肩にかかっていたらしい。けど、それは確かソファに置いておいたはず。
「起きたか」
疑問を浮かべながら毛布を拾っていると、部屋の入り口から声がした。その声に、驚く。あれ?前に今日は来れないって聞いていたけれど。浮つく気持ちのまま、屈んだ姿勢のままそちらを向く。
「蓮二」
「すごい姿勢だぞ」
柳蓮二。恋人である彼が、ラフな格好でタオルを頭にかけた状態で立っていた。固まって瞠目する私に笑いかけ近づいてくる。
「今日は来ないと思ってた」
「最近の電話越しの声が元気なさそうだったからな」
お互いに社畜と称するにふさわしい繁忙っぷりだが、仕事を爆速で終わらせて、何とか時間を作ってくれたらしい。風呂を借りたぞと言いながら私の頬に手をあて、額に優しく口づけを落としてくる。お風呂上りの石鹸の優しい香りが鼻をかすめた。
「ごめん。来ると思っていなくて、ごはん作ってないや」
「予想済みだ。なまえの好きなものを買ってきたが、一緒にどうだ?」
何か手ずから作ろうと思ったが、それはまた今度なまえと一緒に、なんて言われると頬が緩む。
あと一息で終わるからと、目安の時間を伝える。蓮二は微笑み、準備して待っていると部屋をでていく。
「ありがとう蓮二」
その背中に幸せな思いがあふれる。よし、と気合いをいれて私も爆速で終わらせていく。なかなか忙しいお互いの貴重な時間。はやく一緒に過ごしたかった。
作成したファイルを保存してパソコンを閉じる。息をつき、早足で蓮二の待つところに向かう。
部屋の扉を開けると本を読んでいた蓮二がこちらに顔を向け、労いの言葉を贈ってくる。その姿に胸に静かな幸福の気持ちが湧き上った。
「お疲れ様なまえ」
「お互いにね!明日からも頑張ろう!」
「ほどほどにな」
蓮二が微笑みながらグラスを傾けてくる。それに静かに自分のグラスを当てる。心地よい音が響いた。
二人で静かに晩餐を楽しむ。夜は静かに更けていった。