カグラバチ
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「うーん……似てるかな?」
「なに雑誌と睨めっこしてんねん」
これこれとみことは持っていた雑誌のページを柴に見せる。見開きでサングラスをかけた映画俳優がポーズを決めている写真がのっていた。
「この人が柴に似てるってなってさ」
「俺の方がイケメンやん」
「ブラピに謝って?」
なんやねんと呟く柴を一瞥して、みことは雑誌を閉じる。けどまあ事実、柴はモテる。薊もまた然り。
ふとあることを思い出し、左頬に手を添えた。
「なんや急に手なんざ添えて」
「いや、この前薊の十人目の婚約者に挨拶されたことを思い出して」
「十人目ぇ?!婚約者ぁ?!初耳なんねんけど!」
ぶはははと腹を抱えて笑う柴に、みことは青筋をたてた。
本部近くの神奈備所轄地で結界術を教えていた時だった。定期的に来ているのを見計らってか、見知らぬ女性が仁王立ちで待ち構えていたのだ。そして開口一番、私は奏士郎さんの婚約者なんですと言われ、思いっきりほっぺをビンタされた。
今のご時世に、婚約者とかほっぺにビンタとかあるんだと感心していたら、さらに相手の怒りをかった。捲し立てるように詰められたものだ。話の中で、よりによって私と薊が懇ろの関係だと勘違いしていたことが判明した。薊への愛をつらつらと語る自称婚約者に感心していたみことは、流石にその発言に顔を青くしたものだった。
「あー、なんか猛烈に今、薊を殴りたいかも」
「理不尽すぎやろ」
柴は本部にいる薊が悪寒と共にくしゃみをしているだろう姿を想像し、内心両手を合わせた。
「そういう柴にも今まで七人の婚約者いたからね」
「何それ知らん怖」
薊より少ないのが解せぬとズレたことをぬかしている柴に、みことは無言で前髪を引っ張った。
「痛てて!ハゲるわ!」
「こっちはいい迷惑してるんだから。おかげで本部の近くの時は変装しなきゃいけないじゃない。全く、遊ぶのはいいけれどほどほどにね。そのうち背中刺されるわよ」
「いやほんまに覚えないねん……」
困り果てたように柴が天を仰いだ。
その横で「いや、チヒロ君に悪影響を与える前に切るか」と何やら物騒なことを言っているみことに、柴は少しばかり冷や汗をかいたのだった。
※柴さんのモデルは
『Once Upon a Time in... Hollywood』のブラッド・ピット(WJ2025 17号の作者コメントより)
という話から。ちょっとメタいお話。
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