不動峰の日々
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新年度の慌ただしい雰囲気が終わり、夏が近づいてくる季節になった。
「峰子ありがとうね。神尾君に自転車貸してくれて」
「全然。杏と一緒に帰るなら自転車も乗らないから問題ないもの。けど、神尾君なら走っても大差なさそうな感じするけどね。――あ。あそこだっけ?いつも杏が行ってるっていうストテニってとこ」
「そうそう!今日は混んでないとは思うけど。にしても楽しみだなー。峰子運動神経よさそうだもん。テニスも好きになってくれたら嬉しい。バシバシしごいてあげるね!」
「お、お手柔らかにお願いします」
なんでも男子テニス部が地区大会で準優勝をおさめ、もうすぐ都大会があるとのこと。クラスで伊武君や神尾君、杏が興奮しながら話していた。
昨年の暴力事件もあり、テニス部には正直期待していない人が多かった印象だった。けれど、地区大会の好成績もあり学校全体で応援する雰囲気になっている。部長の桔平さんの人柄の良さも、その雰囲気の理由の一つでもある気がする。
杏はまだまだこれから、と言っているが、その表情はとても明るい。杏の笑顔にこちらもまた心が温かくなる。本当に、橘兄妹が不動峰に来てくれて良かったと思う。
そんな中で、ふとテニスをしたことがないという私の発言に、驚いた杏が、試しに一緒にやってみない?と誘ってくれたのだ。
そこでお互いに部活がない日でもあったため、杏がよく行くストリートテニス場にやってきた。
それなりの広さで様々な人が思い思いにテニスをしている。
「テニスしている人って、思っている以上に多いんだね」
そんな風に感心しながらぼんやり全体を見ていると、杏がこっちこっちと手を引いた。
慣れない場所に、ついつい絶えず左右を確認してしまう。
「あれぇ何なに?君たち二人?よかったら僕たちと一緒にやろうよ」
「お、可愛いじゃん」
そんな中、どこからともなく現れた男性二人が声をかけてきた。
失礼だとは分かっているが、見るからにちゃらんぽらんだ。昨年度までの不動峰テニス部のような雰囲気の人たちだった。
関わらないが吉だと、杏と目で合図して横を素通りしようとするが阻まれる。
「つれないねー。まあそういうところもいいけど。ねぇちょっとだけさ、」
「関係ないんで。テニスしに来たんで私たち。行こ、峰子」
無視するように強く杏が言う。ほんとに杏はカッコいいと思う。
「すみません。失礼しますね」
そう頭を下げて離れようとするが、腕を掴まれる。かなり力が強く振りほどこうにも叶わない。
「離してください!痛いです」
「峰子っ!ちょっと離しなさいよ!」
「峰子ちゃんって言うんだ。いいじゃん折角だしさ、デートしようよ。テニス教えてあげるからさ、ね」
「おい、そのへんにしとけよ」
腕をつかむ男の言葉に重ねるように別のところから、凛とした声が現れた。
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