24 -seasons-
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秋雨と共に寒気がやって来た。急に一昨日から冷え込み、衣替えを急いで行った。クリーニング後の冬服に袖を通し、今日も張り切って頑張ろうと学校に向かう。
今日も小雨が降るでしょう。そんな予報のもと、鞄に傘を忍ばせる。傘をしまうとき、鞄に同じく忍ばせたお菓子が目に付く。
秋の味覚をふんだんに使い、昨日作ったお菓子。
彼の喜ぶ姿を想像して、思わず頬がゆるむ。
教室に着き、朝の会の支度をする。少しして、隣の席に賑やかな髪色の彼がやって来た。明るい性格で友人の多い彼の周りはその髪色に負けないくらいいつも賑やかだ。
「おはよう」
「はよッスセツ!」
そうウインクしながら言う彼は、そのままこちらを向き何か期待するよう眼差しを向ける。ワクワクといった表現がぴったりだ。
全く困ったものだ、と思いながら鞄から作ったお菓子を取り出す。
「やりー!やっぱり!作ってきてれると信じてたぜ!いただきまーす!」
そう言うやいなや、喜色満面でお菓子を受け取る彼。全体のラッピングをサッと見た後、手早く、だが丁寧に包みから取り出す。
「食欲旺盛なのはいいけど、それ以上食べて本当にマルイさんにならないでね」
「美味すぎるのが悪い!ありがとな!」
「いつもそうやって喜んでくれるのは嬉しいけど、正直言って丸井くんの方が料理上手だから不安なんだけど」
「んなことねえって!人から貰うお菓子ってまた違った良さがあるんだぜ」
特にセツからのはとか言って、幸せそうに笑いながら作ったお菓子を頬張る彼。その姿にまた作ろうと思ってしまうあたり、私もだいぶ絆されている。
二十四節気「寒露」