フェルム地方出身
第一章
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ホウエン地方はどうやら温暖な地方らしい。カイナシティの賑やかな市を歩く。ガブリアスはこの地方では珍しいのか、すれ違うほとんどの人が興味を示していた。
それにしても暑い。
何か飲み物でも買うか、と海の家らしき場所に行くが、掲示されているメニュー表をみてここは円でやり取りするのだと思い出した。私が所持しているのはPG。しかもそれも電子のものだし、ずっとエラーで表示されない。
これは俗にいう文無し?
なんてこったい。昨日の話では、この地方でもポケモンバトルで賞金を稼げると聞いた。
仕方ない。狩るか。
誰かいないかとあたりを見回すと、海パン姿の男性と目が合った。彼の側にポケモンはいない。トレーナーかどうか確認しようと、そちらに向かおうとしたら突然その人物が声を上げた。
「ヘイそこのイケてるポケモンを連れてるガール!目が合ったな!」
ポケモンバトルだぜ!なんて言いながら何かボールのようなものを取り出し投げた。
何だと思っていたら、突然そのボールはカプセルのようになっているのか空中で開き、光と共にポケモンが現れた。
「え。何それ?!」
「いくぜヘイガニ!バブルこうせん!」
「ガブリアス!」
出てきたと同時に技を繰り出すヘイガニ。今のはいったい何のマジック?!
突然始まったバトルに戸惑いながらもガブリアスが前に出る。今回のサポートはエーフィでいこう。バトルグラスに触れる。よし。ガブリアスとエーフィと心を交わす。
「っと待ったあ!ダブルバトルご所望かい?」
「ダブルバトル?」
「その2匹ってことだ」
「え、ええ。ガブリアスがパートナーで、サポートがエーフィでいくわ」
「ダブルバトル!いいねガール!じゃあ俺はキバニアだ」
そう言い彼はまたボールを投げた。先ほどと同じように光の中からキバニアが現れる。
それから浜辺でのバトルが始まった。
いつものように、シュート攻撃から入り攻撃を繰り出す。相手は掴み技やブロック攻撃をしてこない。昨日のハギさんたちの話で聞いていたポケモンバトル、こういうことかと身をもって学んだ。
彼のパートナーはヘイガニかキバニアか、それすらも分からない。どちらもパートナーのような動きで、サポートポケモンという概念はなさそうだ。
ガブリアスが攻撃を決め、バトルが終わった。
「ヘイ!めっちゃ強いなガール。どれも初めて見る動きだ。技の指示がないのにあの動き。負けたぜ!」
そう爽やかに言い、賞金を渡してくる彼。お礼とともに受け取る。よし、これでサイコソーダが買える。
先ほどのボールのことを聞こうと思ったが、彼は例のボールにポケモンをしまい、どこかに行ってしまった。
「何なんだろう。聞いてたようにバトルスタイルもだいぶ違うね」
昨日から見るもの聞くものが、同じようでどこか違うことに頭が混乱しそうだ。
とりあえずお疲れ様、ということでサイコソーダを買い、ガブリアスたちと共に飲む。
「フェルム地方。私、ちゃんと戻れるよね……?」
私の呟きは海風に溶けて消えた。