フェルム地方出身
最終章
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ダイゴさんの元に連絡が入り、その電話相手に驚く。なんでシンオウ地方と繋がっているんだと疑問に思っていると、ダイゴさんがチャンピオン用のホットラインがあると教えてくれた。どうやらシロナさんはホウエン地方に新しいチャンピオンが誕生したという噂を聞き連絡をしてきたらしい。そうか、そういえばこの前ダイゴさんは新しいチャンピオンがいるとか何とか言っていたな。
それから突如として私の話題になった。ホウエンに戻っているから協力してあげて欲しいと電話で伝えている。ダイゴさんはそんなシロナさんに、もう既に会っていて実は今一緒にいると呆れたように伝えていた。
ーえ、何?ネリネさんと一緒にいるの?!はやく言ってちょうだいよ。ネリネさん、元気ー?
「シロナさん。ご無沙汰しています。元気ですよ」
ガブリアスたちも久しぶりのシロナさんに嬉しいのか、挨拶をするようにぎゃうと鳴いていた。
少しだけ話すかいと、ダイゴさんが電話を渡してくる。お礼を言い、シロナさんと会話する。少しだけ、世間話をした後、シロナさんの鋭い声が聞こえた。
ー何か、元気がないわね。どうしたの?
シロナさんは鋭い。突然のことに、え、と声を上げる。思わず通信機を持つ手に力がこもった。素直に、聞いてみていいだろうか。
「……シロナさんは、もし、自分がやるべきことに迷った時はどうしますか?」
呟くように尋ねた質問に、シロナさんが成る程ね、と電話越しに考え混むような声音をもらしていた。
ー迷った時。そうねー。……今の自分が好きでいられるかどうか、未来の自分に胸をはって会えるかどうか、考えるかしらね。
なーんて偉そうなこと言っているけど、あたしも迷ってばかりよと優しく告げられる。シロナさんらしい返答に思わず破顔した。
今の自分が好きでいられるか。やはり、今の自分が誇れるかどうかを大切にしていることは、間違いじゃない。そっと背中を押してもらえた気分だ。
「自分にしかできないこと。それが、分かっていたら?」
ーそれはやるしかないでしょう!って、ネリネさんもそうでしょう。
迷いなく発せられた真っ直ぐな言葉に、そうですねと私も笑う。
ーどう。ちょっとはモヤモヤ晴れた?
「はい。霧払いしてくださってありがとうございます」
ーふふ。けど、無理はしないのよ。貴女は一人じゃないわ。困ったら、隣にいるダイゴくんもちょっとは力になってくれると思うわ。
「ありがとうございますシロナさん」
「ちょっとなのかい?」
全くとため息を溢すダイゴさんにお礼を言って、電話を返す。
それから何かまたシロナさんと言葉を交わしている。何か揶揄うようなこと言われたのか、ダイゴさんが困ったような呆れたような様子を見せている。何を言われたんだ?
ダイゴさんの様子を眺めながら、これからのことを考える。
自分にしかできないこと。それは、きっと……。
だけど、それをしたら私は、フェルム地方はどうなるんだろう?
「お待たせネリネちゃん。全く人を揶揄うのが好きな愉快な人で困るね」
「ふふ。そうですね」
さて、とダイゴさんは息をついた。これからトクサネ宇宙センターに向かうのだろう。どうすると、改めてこちらを見てくる。
「私もトクサネ宇宙センターに向かいます。けれど、先に行きたいところがあるので、そこに寄ってから合流します」
「行きたいところ?」
はいと告げる。私が行きたいところ、それはこのホウエン地方で出会った大切な人のところだ。
既に行ったところであるため、エーフィのテレポートでトクサネ宇宙センターにすぐに行けることを告げるとダイゴさんは安心したような表情をした。
「何かあったら遠慮なく連絡をしてくれ」
「はい、また」
行こうとガブリアスたちに告げ、エーフィのテレポートで飛ぶ。
次に目を開けると、目の前にはハギさんの家があった。