フェルム地方出身
第五章
名前変換
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あれから無事にハクタイシティ着き、私たちはヨスガシティへと足を進めた。
今回の旅路はヨスガシティで一旦は終了のようだ。一部の人はリゾートエリアというところに行くみたいだが、このヨスガシティで解散してまたシーズンが来たら集合するらしい。
一人ひとりに家庭があり、生活がある。当たり前のことであるが、旅をしているとふとした時にそれを強く感じることがある。
「あら!ネリネさんじゃない」
「あっ。シロナさん!お久しぶりです」
「有名な旅芸人が来るとか話を耳にしたからもしかしたら、と思ったけど。会えて嬉しいわ」
「はい。私もです」
突然の明るい声と共に現れたのはシロナさん。今日もばっちりスタイルが決まっている。挨拶を交わし、まだカンナギタウンに行けていないことを伝えた。まあ旅程を考えると通る道にないから仕方ないわよと笑顔でこたえてくれた。
それから、何かシロナさんがいつもより荷物が多いことに気が付き声をかけると、シロナさんはあっと何か思いついたような表情をした。それから楽し気に私と後ろに控えている相棒たちを見つめた。何だろうか?
「うん。そうだわ!ネリネさん、これから時間あるかしら?」
「え、ええ。今日はもう空いていますが、何かあります?」
「せっかくのヨスガシティよ。行くでしょ!ポケモンコンテスト!」
そう楽し気に声を上げ、私の手を掴み、レッツゴーとばかりに私を引っ張っていく。ガブリアスも突然のポケモンコンテストという単語、シロナさんの行動に驚いている。
「え。ちょっとシロナさん?!私、ポケモンコンテストというものをそもそも」
「いいのよいいのよ!ポケモンとの絆。それを存分に示してちょうだい」
「え。示すって、私が参加するんですか?!」
「もちろんよー」
えええ。手を引かれながらとんでもないことを言われる。
待ってくださいと告げるもどんどんシロナさんは足をすすめる。楽しげな様子に、どこか断りにくい。
「大丈夫でしょうか?」
「あったり前よ。このあたしが言うのよ」
不安しかない中、ヨスガシティにあった華やかな建物が見えてきた。ヨスガシティに着いた時にあれは何だろうかなんて少し気になっていたが、あれがポケモンコンテストというものを行っている会場らしい。
建物の前に着くと、ポケモンと頑張ろうと声をかけていたり、ポフィンを食べていたりするポケモンなど様々な様子が見られた。額縁にコンテストで勝ち上がった人、優勝したと思われる人とポケモンの絵や写真があった。その中にシロナさんの様な人がいて、声を上げていたらシロナさんは照れくさそうに笑った。本当にこの人は何者なんだ。
華やかな衣装を持っている人が多く、コンテストというものが何となく察せられた。私がドレスを持っていないことを伝えると、シロナさんは安心してとばかりにレンタルの場所を教えてくれてその費用も出してくれた。
ここまでされたら出ないわけにはいかない。
「ありがとうございます。けど、どうして私にここまで親切に?」
「あたし、もっとネリネさんたちのことを知りたいの」
「ポケモンコンテストで、何か知れるかもしれないと?」
「ふふ。ご名答。さっきも言ったけど、ポケモンとの絆。コンテストは華やかだけど、根本にはそれがある。だから、コンテストを通じてあなた達を教えて欲しいの」
ポケモンとの絆。フェルムバトルと通じるものを感じた。たしかに、ポケモンバトルなどポケモンとのやりとりはそのトレーナーを知るにはもってこいだ。
どこか試されているような緊張感を持ちながらカチコチに固まる私にシロナさんは背中を押した。
「とまあ、そんなこと言っても。せっかくヨスガシティに来たのだから、ネリネさんがシンオウ地方のポケモンコンテストを楽しんでいって欲しい。それが一番よ!」
「ありがとうございます」
笑顔で告げるシロナさん。きっと私が気分転換できるように、と考えてもいるのだろう。彼女の気遣いに感謝の念が零れる。
「さあ、いきましょ!」
はい!っと返事をし、私は受付に向かう。
ポケモンコンテスト。やってやりましょう!ガブリアスと挨拶を交わすようにお互いの腕を当てた。