フェルム地方出身
第四章
名前変換
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「それはきっと、ディアルガとパルキアのことね」
「ディアルガ?パルキア?」
ええと首肯した彼女は、シンオウ地方に伝わる時間と空間を司る神と呼ばれしポケモンのことを話してくれた。バーネットさんが言っていたポケモン。それはきっとそのディアルガとパルキアで間違いなさそうだった。だが、その存在は資料で知るのみで実際に見たことはないらしい。
「カンナギタウンにいる長老だったら、もしかしたら何か詳しく知っているかもしれないわ」
「カンナギタウンの長老さん、ですか?」
あたしのおばあちゃんなの、なんて笑いながら言ってくる。えっ。そんな凄そうな人の孫娘なのかこの人。ますます謎だ。
「あら。もうそろそろ行かなくちゃ。ネリネさんは、しばらくは旅芸人の皆さんと一緒にシンオウ地方にいるのかしら?」
「はい。そのつもりです」
「カンナギタウンに寄ったら長老に声をかけてみるといいわ。本当は今すぐ一緒に行ってもと思ったけど、旅芸人の方々もいるし、あたしもちょっと用事があってね。あたしからも長老に言っておくわ」
「ありがとうございます!」
「いいのよ。ここで会ったのも何かの縁だわ。それに、そのガブリアスを見ているとあなたというトレーナーが分かる。これからもよろしくねネリネさん」
「はい!」
今度会ったら是非バトルしましょうと言って、ガブリアスと共に去っていった。バトルという単語に反応したガブリアスが嬉しそうにしていた。
私が研究所の前でガブリアスたちと首を傾げていたら声をかけてきた女性。ポケモン神話を調べている物好きなポケモントレーナーだというシロナさん。
その美貌にはじめは息をのんだが、話をしてみると気さくな人柄だった。メスのガブリアスはどうやら彼女のポケモンだったらしい。しっかりと育てられているのをひしひしと感じた。
研究所の前に立ち尽くしている理由を問われ、博士に会いに来たことを伝えると、どうやらナナカマド博士はちょうど他の地方に出かけたらしく、いつ戻るかは分からないようだった。
シロナさんはナナカマド博士に師事していたらしく、自分でよければ話を聞くとなり、何の要件なのか尋ねてくれた。そこでシンオウ地方に来た理由を話すと、先ほどのディアルガとパルキアの話をしてくれた。
「ディアルガとパルキアか。どんなポケモンなんだろうね」
ガブリアスとエーフィ、ブラッキーに問いかけるも全員が首を傾げた。全く未知のポケモン。
ふと何か耳鳴りのようなものがして、何だろうと正面を見る。しかしあるのは、研究所の扉だけだ。
一瞬その研究所の扉のガラスの部分が、水面のように揺れた気がした。何だと思い触れるも、そこにあるのはただのガラスだった。何だったのだろうか?
「気のせいかな?」
扉の前でガラスに触れて不思議な顔をしている私に、ガブリアスたちがどうしたのかと声をかけてくる。
何でもないと伝え、旅芸人の皆がいるポケモンセンターに向かおうと足を進める。
その刹那、今度は何かに名前を呼ばれた気がした。振り向くも、誰も、何もいない。また、何かの気のせいだろうか?
再び不思議な顔をする私に対して、エーフィとブラッキーが足にすり寄って来る。
「何でもないよ。さ、行こうか!」
ちょうど旅芸人の一人が、ポケモンセンターから出てきて私に手を振ってきた。もしかしたらその人の声だったのかもしれない。
だが、あの呼ばれた名前はネリネだったろうか?
あれ?じゃあなんで、私、自分の名前だと思ったんだろう?