フェルム地方出身
第三章
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シンオウ地方。数々の伝説が残る神秘の地方ともツツジから聞いた。巨大な山脈であるテンガン山によって地方全体が東西に分断されている。ホウエン地方と同じく自然豊かではあるが、寒冷地が多く雪が降る場所があるという。
どのような場所だろうか。
未知の地方に、期待と不安が入り混じる。
流れる景色を眺めながら、これから向かう場所に思いをはせていた。景色のどこかに知っている光景はないかと探すも、全くもって知らない光景ばかりだ。
フェルム地方。今まで、他の地方があるなんて考えたこともなかった。
テルルタウンやネオスシティの街並み。時々開かれるコイキング祭り。相棒とおっかなびっくりで進んだお化け屋敷。数々の思い出を振り返る。
別の世界に来てしまったということは、あちらの世界での私はどういう扱いになっているのだろうか。バトル中であった。それが、突如として消えた。
まさか、死亡扱い?けど、サポートポケモンも含めていなくなっているのだ。
ふと、デポンコーポレーションの研究室でみた無人のラボを思い出した。寂しさを感じたあの空間。本来いるべきであった人がいなくなる。
けれど。それでも時は進み続ける。その空いた穴を埋めるように、物事は動いていく。
フェルム地方に帰ることを目標としているが、私が戻る時のフェルム地方は、私の知るフェルム地方のままであるのだろうか。
そう思うと、急に自分の居場所はどこにあるのだろうと思えてきた。
バーネットさんやツツジの言葉、送り出してくれた時のハギさん、ゲンジさんの笑顔が思い出される。
「ああ。こんなこと考えても仕方ない!」
まだ見ぬことを心配するより、今は自分にできることをするだけだ。
突如として独り言をつぶやいた私に、ガブリアスたちがびっくりしていた。安心させるように撫でると、のどをならしてきた。
そうだ。相棒だっている。大丈夫。
相棒。ふと、脳裏に何かが浮かんだ。
碧の何かが、空に昇っていく姿がよぎった。
……何だろう?