フェルム地方出身
第三章
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ーはじめましてネリネ。私がバーネット。話は聞いているよ。
「バーネットさん、よろしくお願いします」
テレビ画面越しに映った褐色の女性は太陽のような笑みを浮かべている。先日デポンコーポレーションで、ツワブキさんがバーネット博士に相談してみると言ってくれていた。
自分の予想よりもかなり早く、バーネット博士からコンタクトがあった。
バーネットさんはアローラ地方に今はいるらしく、新たな事業を始めようと忙しいみたいだ。そのような中で時間をとってくれたことに礼を述べる。
ーじゃあ、目が覚める前まではそのスタジアムにいたのね?
「そうなんです」
黒いポケモンのこと、来る前に大きな揺れがあったこと、覚えていることをすべて伝えた。また、フェルム地方についても。
ーフェルム地方。私が知る限り、私を含めてその地方を知っている人はいないわね。文化も色々と違うし、限りなく近い世界だけど何かが大きく違う。
「はい。私もフェルム地方にいたときは、フェルム以外の地方は全く耳にしたこともありませんでした」
そう告げると、バーネットさんは考え込む。ツツジといい、ツワブキさんといいこの動作は最近よく見る。
バーネットさんと話をしていくなかで、話を重ねれば重ねるほど、私は別の世界から来たということが確信になっていく。別の世界と仮定すると、トレーナーIDのことやモンスターボールのこと、共鳴石のことなど、すべての謎がしっくりくる。それくらい私はここでは、異質な存在ではあると感じてならない。
そうなれば自然と、フェルム地方を探す、ということよりも、元の世界に戻ること。それを探る方がいいとなった。
ー時間と空間をつかさどる神と呼ばれしポケモン。
「バーネットさん?」
突然バーネットさんが何かを呟いた。時間と空間?
ーシンオウ地方に、そういう伝説があるの。ここ最近ウルトラホールが開いたという記録はないし、ネリネがウルトラホールから来たという説は現時点では否定的。なら、時間と空間を司るというポケモンが関与している可能性も考えられるなって思ったの。
ウルトラホール。バーネットさんが自己紹介をしたときに何となく話をしてくれた。異次元を繋ぐトンネルのようなもの。そこを通ればそれなりの何かが起きるらしいが、私が来た前後でそういったものは観測されていないという。
それにしても、時間と空間を司るポケモンなんているのだろうか?
はじめての情報に、バーネットさんを食い入るように眺める。
「シンオウ地方、ですね」
ーええ。ホウエン地方からは少し遠いけれど。そこに行けば何か分かるかもしれないわ。
「時間と空間の神と呼ばれしポケモン」
今度は私が考え込むような動きをしていると、ふと画面越しのバーネットさんが微笑んだ。
ーネリネ。あまり気負い過ぎないでね。大丈夫よ。あなたはひとりじゃないわ。何かあったらまたいつでも頼ってちょうだい。研究仲間はいつでも募集中だから!
「バーネットさん……。ありがとうございます!」
笑顔を共に、アローラ!と手を振るバーネットさん。私も同じようにアローラと戸惑いながらも返す。
通信が切れる。本当にこの世界の人たちは温かい人が多い。
「さて」
テレビの前から立ち上がる。相棒たちと顔を見合わせる。
ガブリアスもエーフィもブラッキーも、当然だというように頷いた。
シンオウ地方。そこに行けば何か分かるかもしれない。
「行きますか!シンオウ地方」