フェルム地方出身
第二章
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研究所にバトルグラスを預ける。解析まで時間がそれなりにかかるらしい。
研究所では色々な人がいるようで、せっかくだし解析の間、見学をしていけばいいとツワブキさんが言ってくれたため有難く見学をしている。
その中に、人がいないラボがあった。何だろうと思っていると案内してくれている人が立ち止まり、ああと懐かしむように告げた。
「優秀な研究員の二人がいなくなってしまってね。今は違うラボが引き継いでいるけど、ここは仮閉鎖みたいな感じ。って、こんなこと君に言うべきじゃないね」
無人のラボの壁には、自然エネルギー・スーツの耐久テストなど研究の途中のようなものが貼られたままになっていた。
人がいなくなってしまったその空間が、何だか寂しさを感じさせた。
回っていると、解析が終わったと声ををかけられた。
解析をしていた研究室に向かうとツワブキさんがいた。共鳴石を分析して、その石の成分から地方を割り出せるだろうと踏んだが。
「ネリネちゃん、この石はフェルム地方では普通にあるものなのかい?」
「?はい。道端に転がっているというレベルではないですが、メジャーなものです」
そうか、と呟くツワブキさん。なんだか気まずそうな中にも、どこか興奮を抑えられないような雰囲気が感じ取れる。何だろうか?
言いにくいんだが、と前置きをされる。私は構わないと告げ、話を続けるように伝える。
何もわからない可能性もある。どんな結果でも、受け止める。
「この共鳴石だが、この世に存在しないものが入っているようなんだ」
「存在しないもの……?」
「正確には、今はまだ発見されていないと言った方がいいのか。未知のものということだ」
「それは、どういう」
うーんと頭を悩ます、ツワブキさん。それから気まずそうに私をみて告げる。
「フェルム地方という地方は、恐らくこの世の、誰も知らない地方の可能性があるということだ」