フェルム地方出身
第二章
名前変換
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入り口をくぐり、受付に向かう。
三階建ての建物だが、その幅広さから相当の規模の会社であることが分かる。
「連絡をしていたネリネです」
「ネリネさんですね。話は伺っております。どうぞ」
受付の人に声をかけ、エレベーターに乗り上の階へと案内される。ハギさんにデボンコーポレーションにいるブッキーに聞けば、何かヒントを得られるかもしれないと言われた。ハギさんが話をしてくれていたのか、ポケモンをしまわないか聞かれることなくすんなりと案内された。
三階につき、案内される。廊下に飾られているものから、日用品までありとあらゆるものをこの会社は開発していることが分かる。その中にポケナビもあった。
「こちらです」
社長室と書かれた部屋を案内した人がノックする。え。社長室ってことは、この先にいるのは……。そんな話聞いてない。ハギさんの知り合いのブッキーさんって、まさか社長さんなの?!なんなのあのおじいちゃん。内心あたふたしているとガブリアスたちも、私の戸惑いに気が付いたのかキョロキョロしている。
どうぞと言われ、扉をあけられる。お礼を言い、失礼しますと声をかける。
「やあ君がネリネちゃんか。ハギちゃんやゲンちゃんから聞いているよ」
「はじめまして。ネリネと申します。あなたが、その。ブッキーさん?」
「ああ!ツワブキ・ムクゲだ」
なるほど。ツワブキでブッキー。案内した人がそれでは社長失礼しますと告げて去っていく。やはり社長さんみたいだ。
椅子に掛けるように促され、礼を言いかける。連れているガブリアスやブラッキー、エーフィに興味をしめしている。
「ツワブキ社長。ポケナビありがとうございました」
「ん?」
まずは私の要件からと思い、鞄から封筒を取り出し渡す。封筒には、お金が入っている。
中身を確認し、断わられやんわり返された。
「いいんだよ。試作品のテストも兼ねている。それから、ツワブキ社長なんて堅苦しい呼び方はしなくていい」
何ならブッキーでもいいぞなんて言ってくるツワブキさんは、ハギさんやゲンジさんと仲良しなのも頷ける雰囲気を纏っていた。
改めてお礼を言い、鞄に封筒をしまうとツワブキさんは咳ばらいをしてさて、と声を上げた。
「ネリネちゃん。フェルム地方というところを探していると?」
「はい。ツワブキさんは何かご存知でしょうか?」
「すまないな。デボンは多くの地方とやりとりしているが、フェルム地方というところは今まで聞いたことがない」
「そう、でしたか」
何となくそんな気はしていたが、やはりフェルム地方についての情報は得られなかった。私の声にどこか落ち込みがあるのが分かったのか、ツワブキさんがすまないと再び謝ってきた。ああ。そんなツワブキさんが落ち込まないでくださいと思い、大丈夫ですと声を上げる。
「して、ネリネちゃんは不思議な石を持っていると聞いたが。それを見てもいいかね?」
はいと伝え、バトルグラスを外す。ツワブキさんに差し出すと、ツツジと同じように興味を示し、しげしげと眺めていた。
「研究室に行ってみるか」
どうやら二階に研究室があるらしく、そこでこの共鳴石を解析してみようとなった。
その結果から、何か情報が得られるかもしれない。おそらくハギさんはそれを踏んで、私にここを紹介してくれたのかもしれない。