Pokémon
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あたりを眺めると、一面の緑。木、草、花、岩。自然に満ち溢れた空間がどこまでも広がっている。
はじめは散策と、カフェで出す新メニュー開発のための素材を集めるのが目的だった。
フスベシティではあまり見かけない木の実がそこらじゅうになっていた。ワクワクしながら夢中で道を突き進み、かおるキノコや、たくさんの木の実に連れられて気が付けばこんな奥まで来ていた。
持っている籠の重さに、ふとそろそろ戻るかと足を止めたのがついさっき。
あたりは、どこもかしこも自然。
これはもしかしなくても、
「迷子ってやつですかね……?」
ポケモンを持っていないなら近づくなと言われているワイルドエリアには流石に入っていないとは思うが。
ただでさえ見知らぬ地方、見知らぬ街であるのにこれはまずい。
と、とりあえず落ち着け。太陽があっちだから、きっとあの方向に行けば大丈夫なはず。うん、ナックルシティって確か、あっちだよね。
いざ出陣。
足を進めているが、あたりは草木のまま。どんだけ夢中でとってたんだよ私。自分で自分にツッコミをいれていないとやってけない。
はあ、とため息をついた時、キュゥと、どこからか弱弱しい鳴き声が聞こえた。ん?
「だれかいるの?」
私が声をかけるも、返事はない。人?ポケモン?けど、あの感じはポケモンな気がする。
耳を澄ましていると、再び鳴き声が聞こえた。
なんだろうと思い、そちらの方に足をすすめる。もし、危険なポケモンだったら即行逃げよう、そうしよう。けど、この声の感じからして相当弱っていそうだ。
なんとなくここらへんかな、なんて思ったが、見当たらない。ガサガサと音がして、びくりとする。
とっさに息を殺して隠れると、茂みの中からオノノクスが出てきた。なんでこんなところにオノノクスが?!ガラル地方こわっ。
隠れながらオノノクスを食い入るようにみていると、オノノクスは軽くあたりを見回した後に、鳴き声を上げて歩き始めた。
何だろう?そうおもっていると、更に茂みの中から、オノンド、キバゴが数匹出てきた。もしかしてこれは、群れだろうか?
とりあえず見つからないように、と思ってオノノクスたちが去っていくのを見送る。はじめに私が聞いたの鳴き声は、何だったんだろう。そんなことを思いながら、もう大丈夫だろうというタイミングで立ち上がった。
その刹那、またあの弱弱しい鳴き声が聞こえた。
おかしいと思い、先ほどよりも近くだと思い、そちらの方に足を進める。
茂みの中を覗くと、なんとそこには一匹のキバゴが目を瞑って苦し気に鳴いていた。