舞い降りた天使
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「幸村や真田になんて言えばいいんだよ」
身体検査もされ、大丈夫と判断されたのかやっと解放された。これから部活に向かうかと病院のロータリーにある時計を見るも、もう部活も終盤にさしかかる時刻だ。ため息しか零れない。
今から部活に向かえば最後の最後くらいはでられるか。そう思い向かおうとした矢先、俺の視界にあの人物がうつった。
あの時のあの女。
なんでこんなところに。俺は急いでそいつに向かい、声をかける。しかし自分だと分かっていないのか、全くこちらを向かない。俺は先回りするように彼女の前に行き声をかける。
「おい!」
「私ですか?おや。確かあなたは先ほどの」
「やっぱりお前だったのか!」
「何です?」
「お前、何者なんだ?」
「はあ。もう会わないと思っていましたが。やはり、記憶に関する力の行使も可能にしてほしいですよね」
そう呟いてはまたあの時のように、めんどくさそうな顔をしている。何なんだと思っていると、そいつは何かを察知したのか。顔を上げ病院の方を見る。
「ああ。もう行かなくては。すみませんね」
そう告げそいつは病院の方へ向かった。ちょっと待ってくれと、俺が追いかけるも、病院の入り口に入った途端見失った。なぜかそいつが気になって仕方がなく、俺は再び病院内に足をすすめた。
どこに行ったんだろうか、そうあたりを見渡しながら病院内を歩く。そして、見つけた。どこかの病棟から出て来たのか向かいの階段にいた。
俺が足を進めようとしたら、階段前の廊下にいた松葉杖を突いている患者がよろけた。このままでは階段に落ちてしまう。そう思い、支えようと咄嗟に前に出る。
その人物を抱えるようにして、俺は浮遊感に包まれ俺は背中に衝撃を感じた。
落ちるとき視界にちらりと入ったアイツは、驚いたような表情をしていた。そして、その背中から白い羽が生えているのを俺ははっきり見た。