舞い降りた天使
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「困りましたね。リストにはないはずなんですけど」
おかしいなあなんて言いながら、どこから取り出したのか分からないバインダーとそこに挟んだ紙をパラパラと見ている。困ったというような、面倒くさそうな顔をしている。
無音の空間の中、突然降ってきた声。その声だけが響く空間。身体の自由がきかない。視界に広がるのは地面。そして、立っている女の姿。
何かを確認し終えたのか、ため息をこぼしこちらに顔を向ける。正面から初めて見たが、幼いような大人びたような不思議な感じだ。俺と同い年くらいにも見えなくはないが、その纏う雰囲気とのちぐはぐさに不思議な感じがした。
「時々いるんですよね。あなたのような方」
お戻りなさいと言いながら、俺の額に彼女の指が触れる。その一瞬、白い羽が見えた気がした。
途端に、周囲の音が戻ってきた。
「大丈夫か君?!」
「よかった。息子を助けていただきありがとうございました」
「すごい勢いだったと思うけど何もないなんてすごいな」
「な、何が起きたんだ?」
助けてくれてありがとうと泣きながら抱き着いてきた少年。何でも俺が彼を助けたという。言われて確かにそうだったと思い出した。
どこからか落ちてきている植木鉢に気が付かず、少年が歩いていた。危ないと思うと同時に駆け出していた。そんな漫画のようなことあるかなんて思いながら、そのまま抱きかかえるようにしたが、自分の首に何か衝撃を感じたのを思い出した。そして、変な空間にいた気がする。
「アイツはどこだ?」
先ほどの女。確かあいつに何か言われて何か額に手を当てられ、今に至る。アイツを探すも見つからなかった。何だったんだ?周囲に尋ねるも、そんな人いたかなとか何とか言っている。
倒れて意識を失っていたため俺は救急車を呼ばれていた。部活に遅れるからいいですというのだが、素直に先ほどの女とのやりとりをして気が付けば元気になっていたと言っても全く信じてもらえず、むしろ意識混濁とされ運ばれた。勘弁してくれ。