彼女達のクリスマス


彼女の生態

“クリスマスケーキの特別感からの呪怨-1”


「クリスマスケーキ、ね♪」
「ハイハイ」

心の底から楽しそうな彼女
とりあえず、頭の隅に入れて
テキトーに流す俺
そんなだからあんな事になるんだよな・・・
タイム○リーとか入れておけばよかった
彼女のオーダーは苺の乗ったホールケーキ
よくあるケーキ、だが財布がそんなに楽しい状況じゃない俺の財布
最初は彼女が自分で買う、とか言っていたが
小さなプライドが働いてケーキぐらい、と俺が買う約束をつけた
そこまでは良かった、財布がうすら寒い思いをするだけだから
約束をした翌日あたりから不穏な空気が流れ始めた
会社では飲み会の話がどこからともなく出始める
最初は断っていたものの部署単位となると
顔を出さないわけにもいかず
参加を表明したのち
日程がクリスマスだと気付いて慌てた

ひとまず途中退場すれば大丈夫、と当日を迎えて
いざ、始まれば楽しさに我を忘れて飲んでしまい気付けばスマホの時計が9時近くを知らせてた

この状況で一番怖いのは彼女からの連絡が一切無い事
危険な目に合うとかしてないだろうけど色々な意味で心配にもなる
この時、よっぽどひどい顔をしていたのか途中退場を申告したら全員から肩をたたかれ憐みの表情で送り出された

「ただいまー」

そっと開けた玄関はこれまた怖いくらい静か
電気は点いているのに静か一体何事、と足を進める
居間にいかにもなクリスマス料理が並んでいる
ローストチキン、魚介類と野菜で作ったサラダ、どうやって作ったのかピラフが輪になってる
他にも色々な料理が手つかずのまま出来上がった状態のまま
なのにここにも彼女がいない
寝室を覗くといた
一安心と罪悪感が入り混じるなか起こした

「おかえりー、ケーキは?」

寝ぼけた顔に、更に巨大な罪悪感が爆誕する


クリスマスケーキの特別感からの○怨-2【2019】
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