彼女達のクリスマス


彼女の姉の生態


“クリスマスの当日”

「電飾」
「イルミネーションって言えよ、そこは」

発した言葉に呆れて的確な表現教えてくれる左の手をつなぐ人
未だに見上げたままな右手をつなぐ人
クリスマスにやりたい事を聞かれて生まれこの方やった事のないイベントに言葉が詰まったのが始まり

「イルミ、見たい」

後ろで画面を指して発した彼の一言でやりたい事が決まった
自分の反対側で眉間にしわを寄せている彼はこの際、放っておこう


当日、油断は禁物と防寒装備を徹底されてしまった自分と
体感温度がどうなっているのか上着がブルゾンで済んでいたりモッズコートで済んでいたりな二人
どっちかというと自分が場の雰囲気で一番浮きそうだ
思いながらも歩き出した都内某所
まだ人はまばらでこれから増えるのだろうか
イベントになると人は集まって遊ぶのが好きなようで
イベントの類と縁が無い自分はイルミネーションを発案した時に見せられた人の多さに疑問符しか浮かばなかった
現場に来ると人が集まるのも解る気がした
電飾もイルミネーションと言われれば納得のいくもの
友人同士、恋人同士な自分達も普段よりも特別に見えてくる
自分の手を取る人は
左右別人

《特別な人》
《好きな人》

もっと言葉が思いつきそうな気がしたけどボンヤリしていると体調を心配する二人に
せっかくの景色を中断されそうなので止めておこう
少し力をこめれば握り返すのと同時に振り返る二人
思い付きで行動した事だから

「好き」

思い付きで言ってしまったんだろう


クリスマスの前準備【2019】
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