彼女の生態

彼女の生態

“だってイタイ-3”

「わー、おまわりさんだー♪」
腹が痛い、はどこいった
子供みたいに笑いだした彼女
そうしてようやく話が見えてきた
「今日、お仕事のお手伝いしてケガしたの」
「お腹を?」
警察官も困惑するが最初の血まみれだった腹部を指して確認
「そー、ホントは病院にお泊まりした方が良いよ、て言われてたけどどうしてもお家に帰りたいって言って、帰ってきたの」
つまり、お手伝いでケガして俺にバレるのを恐れて約束の薬ご飲めず痛みが出た
その証拠にバッグから錠剤を詰めたアルミのシートが出てきた
念の為に薬を調べてもらうと抗生剤と鎮痛剤を混ぜた配合剤だそうだ
国内ではそんなに出回っていないものだったけど
もう俺にバレているにも関わらず薬を飲みたがらない彼女に、前から羨ましがってた水族館の話を持ち出すとすぐ飲んだ
今度こそ、一件落着
彼女以外の全員で盛大に溜息をついて、形式的な“厳重注意”をもらい特に何かをする訳でなく終了となった
「また、来てねー♪」
手を振って嬉しそうな彼女の隣で
《おまわりさん、そんなにヒマじゃねーぞ》
内心思いながら、真夜中の騒動を誰かに伝えるべきか考えてみた


お付き合いありがとうございました
だってイタイ-2
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