彼女の双子の姉の生態

彼女の双子の姉の生態

“口寂しいと恋しくて-4”


ワンパターンになりつつある、鉄板技に今回も敗北
白旗を振って事情を説明し始めるのはとても気まずかった

「で、結局、俺達が居ない事に耐えかねてふて寝して?」
「夢見が悪かったからアイス?」

とりあえず、そういう事にしてもらおう

「ふーん」

マズイ、やっぱり止めておこう

「今朝の事を思い出した」
「「?」」

二人して解らないと言う顔をしているので
(悪意も無く)
出掛ける時の事を話してその後の表現し難い心情を二人に向かって思いつく限りの言葉で説明する
すると二人はそろって視線を外して明後日の方を見ている
我ながら恥ずかしいと理解しているつもりだがそれ以上に何か思うところでもあったのか
それ以上、言及される事は無かった
その代わりにその日は普段以上に優しかった
(普段が乱暴と言う訳では無い)
移動しようとすれば抱き上げられて
食事は勿論、胃に優しいメニューをわざわざ食べさせてくれる仕様
風呂も髪の手入れも歯磨きも
自力で行動する事が全く無かった
最終的に昼間、悪夢を見たベッドに戻ってきて眠る訳だが
ここに来て仕掛けられるかと思ったが
予想外にもそれは無かった

一応、病人と認定されたらしい

左から右から頭を撫でられ、眠りに付いた
見た夢は意外と普通で
本来辿るはずだったであろう三人で食卓を囲んで
食後もアレコレ話し込んでいる景色だった
自分も二人も笑っていた

明日はちゃんと二人と食事をとろうと思った


口寂しいと恋しくて-3
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