彼女の双子の姉の生態

彼女の双子の姉の生態

“口寂しいと恋しくて-3”


昔、友人が言っていた

《口寂しいなら、お菓子食べたら?》

結局、それはソイツの持論だったが
まさか、行動に出る奴がいると思わなかった
アイスの箱を見つけた時に気付いた明らか覚えの無い買い物
すぐ、仮説を立てる事ができたが押し付けからの答えでじゃ証拠として役に立たない
とりあえず、床と仲良しの状態をなんとかしないと
抱き上げられてソファに移動する間、借りてきた猫のようにおとなしい彼女
アイツがアレコレ聞いているのを見ながら
ふと見つけたソレをこれ見よがしにチラつかせる

「なー、アイスって箱の奴、いつ買ったっけ?」

彼女が目に見えて解る程に動揺しているのが解る
ギクリなんてもんじゃ無い
そしてトドメにアイツが引き攣りながら一言

「全部、食ったのか?」

頷いたのを見届けて、次の段階へ
気まずい空気を出しながらコッチを見てくるが知らん顔
そもそも、そんなになるまで食べる神経がわからない
ブランケットを持ってきて包んでやると暖を取ろうとして更に小さくなる
その間にアイツは飲み物を作りに行く
このまま逃がす訳が無い俺達
二人揃ってブランケットの裾を掴む

「なぁ」
「なんで?」

こういう時しか合わない連携も悪くない

「あー」だの「うー」だの何がそんなに恥ずかしいのか
赤くなったまま何も話さない
つっても鉄板技もあるからコッチが有利だけど
二人で覗き込むのを止めてフリーなアイツが彼女の足下へ移動
剥き出しの日焼けなんて単語も知らない色白な素足に指先で撫でるように上下運動
駄々っ子みたいに嫌がるのがマジカワイー
本人はすごく嫌がるけど
観念して断片的に話し出した
手間暇掛かっても可愛いから止められない
そもそも惜しむ暇?
なんて無いけど?


口寂しいと恋しくて-2
口寂しいと恋しくて-4
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