彼女の生態

彼女の生態

“だってイタイ-1”

「いた・・・・・」
「?」
「いたいぃ」
「どうした?食いすぎか?」
それは夜中に突然起きた
隣で「痛い」と言いながら泣く彼女
てっきり夕食の食べ過ぎかと思ったが妙だ
そういや、いつもより食べて無かった
「痛いか?」
「いたい」
「どこ?」
「これ」
腹の辺りの服をめくって見せた腹には血
「!?」
一瞬ビビって大声が出そうになったがなんとかやり過ごした
彼女は涙をボロボロ落としてる
この時程、“食いすぎの方がマシ”だなんて思った事は無い
「いたい、いたいよぉ」
徐々に彼女の様子がおかしくなってきた
とりあえず血を拭くためにタオルを取りに部屋を出た
そうでもしないとこの後、俺までパニックになりそうだ
浴室でタオルを掴んだ時、
「いたぁい!!やあ!!!!」
彼女が大声で叫んだ
真夜中のアパートの一室でそんな事が起きれば誰しも不信がる
それよりも適当にタオルを掴んで部屋に戻ると血まみれの腹をかきむしる彼女がいた


続きます



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