彼女の夏休み【2019】


彼女の夏休み

“**日目”

ここのところ《お手伝い》と称して家を空ける事が増えた彼女
基本的に屋外でのお手伝いが多いんだとか
でもさ、普段あんなお子様の彼女の面倒込みでお手伝いの話がきてるんだよな
どんな人が話もってくんだろ?

「ただいまー♪」
「・・・・」

元気よく帰ってきた彼女
人の気も知らないで小さなトートバックに必要なものを全部入れているようで
スニーカーを脱ぐとすぐさま洗面台へ

「おかえり」

手を洗っているであろう後ろからあえて洗面所に顔を出さずに声をかける
何気なく違和感を感じたのか

「ただいま」

二度目の言葉は気持ち小さくなっていた

「大変だな、お手伝い」
「トカゲ探すのとかあって大変だったよー♪」

まだ、お互いの顔が見えていない状況
彼女は普段通りのテンションに俺も同じテンションで返すのがやっとだった

「それでねー」
「あのさぁ」

手を洗い終えて出てきた彼女の言葉を遮るように言葉をぶつける
ただの手伝いだって解ってる
俺がいちいち言える立場じゃないって事
それでもやっぱり言いたい事もある訳で

「ソレ、手洗いで済むレベルじゃ無くね?」
「うーん」

全身泥まみれ
よく近所歩けたな
一歩間違えたら不審者だろ!?
帰ってきたらうがい、手洗い、は解るけど
最初からそういう状態の時は風呂に行ってくれ!!

「オフロー♪」

床掃除とか面倒なんだよ・・・

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