彼女の夏休み【2019】
彼女の夏休み
“**日目”
ホラー映画はそこそこ平気
でも、さ、やっぱり怖いじゃん
「マジか」
「どうしたの♪」
夕食後のんびりしてたら映画が始まった
アベン●ャーズとかファンタス●ィック・ビーストとかどっかの某監督とか
そういうものは大体彼女が気に入って見ている
今回は全くと言っても良いくらい違う映画
「貞●かよ」
「さ●こ?」
結構キツイな、個人的に
嫌がるだろうからとチャンネル変えようとしたところでじっと見ていることに気付いた
「これ怖いぞ?」
「こわい?」
「まじで」
特に気にした様子もなく見続ける彼女
俺は少し遠くからテレビではなく彼女を観察してみる事にした
開始からどろどろした雰囲気満載に対して微動だにしない彼女
途中、大きな音や画面に何かが飛び出しても表情を変える事もない
「・・・・ぁ」
駄目かな、と思ったがよく見ると欠伸だった
ウソだろ、恐怖感最大級の時にアクビだとーー!!!!
エンドロールで力尽きる俺
結局、本編を見てしまいギャーピー騒いだのは俺一人
彼女は俺の絶叫に驚いて目を覚ますといった感じ
「怖くねぇの?」
「生きた白装束が右往左往して迷惑じゃないの?」
確かに映画は死んだ奴に向かって出演依頼できないんだけどさ
(それはどこも同じだけど)
「結局死んじゃったの誰ー?」
恐過ぎて覚えてねーよ!!