彼女の夏休み【2019】


彼女の夏休み

“**日目”

「《こう》くれば《こう》♪」

洗濯物を干しながら彼女が恒例の独り言を披露し始める
俺は洗い物をしながら右から左へ聞き流す

「《そっち》から《そっち》」
「《あれ》から《あれ》」
「そうそう」

段々、一人会話みたいに聞こえてくるけど気にしない

「あ」

何かに気付いた彼女がベランダから部屋に戻ってくる
窓の開閉はクーラーを使い始めた頃に3時間オーバーの説教のおかげか理解しているようで
部屋に入った際にしまる窓の音で顔を上げる

「どうした?」
「コレ」

服についた謎の汚れ
なんか覚えあるなー
なんだっけ?

「ジ●バ!!」

あ-、それそれーってそれは風呂だろ

「洗濯機も洗うかー」
「おー」

が、原因がそれじゃ無かった事を早々知る事になった

「そうじー♪」

彼女がそう言って洗濯漕の中に手を突っ込みフィルター?らしきものを取り出した時、気持ち悪い程のぬめりやびしょ濡れのホコリが出てきた

「マジで?」
「マジです!」

いつ捨てたか忘れた歯ブラシとビニール袋を使って器用に取り除いていく彼女
新しい事を覚える事が出来た8月のとある日の出来事

ホント、何でそんな事知ってんの?

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