彼女の生態
彼女の生態
“たまには、ね”
「ただいまー」
あ、そうだ
今日は《いない日》だった
謎の多い彼女の謎のお手伝い
「お泊りでお手伝いなのー」
すごく不安気に言ってくる彼女にどんな危険な事してくるんだろうと思っていたが
不安の理由は別にあった
「だって帰ってき知らない女の人が居たらヤダ」
むしろ、お前が手伝い先でとんでもない事やらかさないか心配だよ
「大丈夫♪」
俺の心配を一言で笑ってとりあえず送り出した
のは良いけどなんか彼女より俺がダメになりそう
大きくもないアパートに一人
当たり前だった頃の感覚が思い出せない
はしゃいでぶつかったり
むせると何か飲ませたり
手元が狂ったら支えたり
普段、落ち着かないはずが
今の一人が落ち着かない
「ダッセェ」
彼女がいないから、と
調子のって買ったチューハイが進まない
洗い物してない
風呂入ってこなきゃ
洗濯物
明日、どうしよう
全部、面倒くさい
ホントやばい
俺、腐りそう