彼女の夏休み【2019】


彼女の夏休み

“**日目”


「おやつー」
「へいへい」

俺はスーパーで食材探し
彼女は恒例のおやつ探し
小さな子供に交じって真剣な顔でおやつを選んでる

すげぇ、ビミョー

「うーーーーーーん」
「コレにしとけ」

見せたのは少し高い段に置いてある詰め合わせパック
性格的に一戸に絞れた試しが無いだろ
あんまり長く居るのも俺的にもちょっと居心地が悪い

「えへへ♪」
「まだカゴに入れとけよー」

振り回して中身ばらまかれても困るので回避は大事
レジに並んでいる間、彼女はチラシや季節の商品の紹介が張り出された掲示板のあたりにいる
今日も掲示板の前でじっと見ている
見ている割に、中身を覚えていたことは一度も無い

「気になるものでもあった?」
「これ♪」

夏のお歳暮特集
はいはい、そんな、季節ですねー

「さっきの棚にはそーめん、てこんなにたくさん入ってなかったよ」
「そりゃ、お歳暮に1袋だけは無いだろ」

お歳暮を知らない彼女にテキトーに言ってみる
ちょうど商品のところに《お世話になった人へ》とか書いてあったのでそんな感じで

「へー」

絶対、最後の方聞いてなかったろ
だんだん、解ってくる彼女の行動パターン
目線は新たに見つけたお菓子のお歳暮に夢中

このやろう、買ったおやつ全部俺が食うぞ

ひとまず飽きるまでテキトーに眺めてそれから家に帰った
その後、おやつは彼女が無事に食べ終えました


「宅配便でーす」
「へーい」

なんか頼んだっけ?
てか、でか!?
まさか、あいつ変なモン頼んだのか??
妙にデカい段ボールをの中身を恐る、恐る見てみた

「お歳暮?」
「お世話になった人へ感謝!」

彼女が後ろから満面の笑みでやってきた
伝票を見ると送り主は彼女、受取は俺
そして、中身はそーめんと焼き菓子
二つ用意したらしい

どうやって頼んだ?
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