彼女の双子の姉の生態


彼女の姉の生態の裏側で


“最果てを見たくなった”

残骸の果てはなんだろう
ふと、目の前の死体を見て思った
死体は依頼主の知り合いらしいが、詳細は知らされていない
しかし、死体の検死もどきをする日が来るとは思いもしなかった
依頼は他にも死体の情報を元に犯人の特定、抹消となっている
現時点で犯人の特定は困難だがそれも時間の問題だろう
必要な情報が集まり次第動き出しても遅くはない

それより先程から気になっているのは目の前の死体をこのままにしたらどうなるのだろう、と言う純粋な疑問
単に外に放置すれば他の動物の餌なり腐るなりするのだろう
屋内であっても進む工程が2,3違うだけで死体が無に還る時間の問題だ
なら、その後は?
無くなり果てたその先にあるのはなんだ
片付けられて、何も無い
ただの世界、地面が広がり
その広がる大地を見下ろすのは一体何なのか
誰が?何が?
考え出したらキリがない
なのに考えずにいられない
死の果ては何か?
その後とは何か?
顔面を眺め過ぎたせいか
後ろで妹が咳ばらいをするまで気付かなかった

「悪趣味」
「考えていたらこうなった」
「見つかったよ、標的」

どうやら思案は一時停止する事になりそうだ
同時進行で考えると万が一の可能性がある為、障害となりうるものは消せる因子か否かを判断してすべて消す
仕事で常に意識するようになって今では無意識にできるようになった
とは言え、大概は途中で辞めてしまう事が多い
ただ、今回はそうならない気がする
考えるのをやめられなかったのが引っ掛かり続けて多分
忘れる事も止める事も無い
だとして答えは出るのだろうか?
死の最果て
誰も証言できない最果て
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