彼女の生態
彼女の生態
“白雪姫に投げつけた目覚まし時計”―番外編
セミも鳴き納めを始めた今日この頃
引っ越ししました
費用ゼロ、全て自前
汗水一つ落とす事無く
と言うのも裏仕事?らしき職業をしている彼女のおかげ
ちょっとセレブちっくな気分になれる新居へ住めるようになったのも
とは言え、彼女の用意した新居は少し変わっている
すれ違う人がほとんどいない
いたとしても顔を見せない、と言うか目を逸らす
それはもう露骨に
うっかり対面で会っても即座に顔ごと逸らされ
エレベーターに乗り合わせようものなら下を向いたままトドメに近い階数で降りて足早に去って行く
俺、なんかした?
食事時にうっかり思い出して微妙な顔をしてしまう
当然、彼女は気付く
「どうしたの?」
「なんか、さ」
とりあえず、ここ数日で思った事を全部話してみた
彼女は少し考え込んで教えてくれた
「ここの住人、同業者ばっかしだから」
「!?」
ようやく理解した顔を知られたら困る職業(多分)
うっかり警察が介入したらマンション事潰れる
「素人や事情知らない人が来ても、数日後には逃げ出すシステムになっているから大丈夫♪」
そりゃー、すごいや
そういえば前住居の大家さん良い人だったなー