彼女の生態


彼女の生態


“白雪姫に投げつけた目覚まし時計”―2



「場所、変えて良い?」
「ん?あぁ、良いけど」

まさかこれが引っ越しを意味するなんて思いもしなかった
間違って首絞めた件から数時間後、彼女はとりあえず俺と一緒に居てくれた
同時に出た一言がコレ
なんとなくで返事した

「コレ、新しい住所」
「え、えー」

連れてこられたのは都内某所、ハッキリ言って今の自分の身なりと全く噛み合わねぇ
高級感がそこら中から漂ってる!!
俺、今メチャクチャ浮いてる
しかも新しい住所、て何階あるんだよ、このマンション!!
彼女からマンションについて大体の説明受けて中に入るとホテルのエントランス状態
マンション、だよね
エレベーターで移動するとか会社くらいしか知らないんだけど

「広い広い」
「物置かなければ、掃除は楽勝だよ」

そうだね、そして彼女からの課題は極限だった
24時間以内に前住居を処分
実際、爆破とかするんじゃ無くて24時間以内に引っ越し完了させろ、て意味
現我が家を見回して頭を抱える
今まで積み上げた思い出をどうしろ、と?

「さっき、見た家具は備え付けだから大体は持ってかなくて平気」

下見と言う名の新住居の中はどっかのモデルルームを思わせるような風体だったが
まさかそれが備え付き
つまりは家具も家電も全部揃った状態で使用可能!?

結局衣類をキャリーケース1個分詰めて残りは処分となった
因みに彼女は財布とスマホと例の小さな化粧ポーチだけだった

とりあえず、新しい住所を会社に報告しとこ


白雪姫に投げつけた目覚まし時計―1
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