彼女の双子の姉の生態


彼女の双子の姉の生態

“自習て一番難しいと思う”


「コレと、コレを、ココの式から外して」
「お、おう」

大学が少しばかり行けない事態に
だから、と言って学業を疎かにして良い訳でも無く
しかも、今の時代に変なところついていけない、と言うか
いわゆる《オンライン授業》を始めようとしたが
しょっぱなからシステムに障害が発生
仕方なく自習になった
と、なると全くダメなのが俺達
同じスポーツ推薦に同じ学科
しかも下から数えた方が早いっていう始末
自習なんてできる訳がない
一応それっぽいものを始めてみたが10秒も経たずに揃って挫折
それを見ていた彼女が使っていた参考書を手に取り
最初のページからパラパラと早送り調に見始めて一分後、冒頭の様子になった

しかも解りやすい
大学で聞くよりメチャクチャ解る
元々、俺達のクセを知っているのか
立ち止まる箇所も既に知ってます、と言わんばかりに
解説や補足もすぐに入ってくる
開始10秒で立ち止まった自習が
気付けば一時間で試験範囲の半分が終わっていた

二人で知ら目をむきながら自分のノートを見返して
互いを見やるが事実は変わらない

「お疲れ様」
「サンキュ」
「んーー」

コーヒーと一口サイズのクッキーを皿に広げて持ってきた彼女
彼女の手にあったのは紅茶だった
三人で休憩を取りながらまったりする
自習も悪くないな、と思いもう一度彼女を見やる

《《なんでコーヒーはブラックなのに紅茶にはミルク入れんの?》》
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