彼女の双子の姉の生態


彼女の双子の姉の生態

“赤い殺意をミルクで中和”


もしも二人を殺して自分が死んだら
自分自身の世界は完結した、と言えるのだろうか


それができるのなら
それを自分が望んだら
二人は有無を言わずに命を差し出してくれるだろう

ただ、怖いのは
二人を殺した後に
自分を殺す事が出来なくなるかもしれない事
何かにつまずいて身体が動けなくなったら
自分だけが取り残されてしまったら
それを考えると怖くて仕方が無かった
仕方が無いから殺さない
恐くなるから殺さない

殺さない、殺したい、殺さない、殺したい

ころさない、ころしたい、ころさない、ころしたい

コロサナイ、コロシタイ、コロサナイ、コロシタイ

コ、ロ、サ、、ナ、イ、、コ、、、、ロ、シ、タ、イ、、、コ、ロ、、サ、、、ナ、イ、コ、、ロ、シ、、タ、、、、、


「オイ!!」
「大丈夫か?」

むしろ目の前の二人の形相の方が大丈夫だろうか
鬼、悪魔、とも言えようか
意識半分で視線を周回させてきづいたのは寝室だったということ

「辛い」
「だろうな」
「だから止めろ、て」

そして思い出したのは、自作で作ったキムチ鍋
試しに鍋へひっくり返したキムチパック
鍋の中はマグマのような惨状
二人が止めるのを右から左に流して
口に含んだ後の記憶が無い

「今度は大丈夫だろ、アイツが何とかしてくれたし」
「いや、Go●gleのおかげ」

遠くに同じ香りがして二人に連れられて鍋をのぞき込むと
色合いがさっきよりも落ち着いたそれ
どうやら人の食べられるものにしてくれたらしい
少し前の肌寒い思いはせずに済んだ
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