彼女達のホワイトデー


彼女の姉の生態


“愛してる、よりも、程遠い”


「ホワイトデー、て何が欲しい?」
「ド直球だな」
「んー、裸苺エプロン」

一人、儚い妄想を見ている奴がいる

それはさておき本当にどうしよう
もう一人が真剣に考え込んでしまったので
外で買った雑誌を片手に菓子や洋服
いろいろ見てみるがどれも引っ掛からない

「前からやってみたいことがあったんだけど」

その提案が全員一致で決定した


当日、朝から明らか緊張している
それもそうだ、目の前には大量の野菜
そして肉、肉、肉、肉、肉、肉、肉
野菜はスーパーをはしごして手に入れたが
肉に関しては自分の持っている
とあるルートから手に入れてきた

《焼肉食べ放題》

店で食べるのも良いのだが
以前、ちょっとした出来事が原因で店を出禁になった事があった
それ以来、外食はかなり少なめな事が増えて
それ自体もし無くなり始めてた
今回《ホワイトデー》と言うイベントに乗じて開催してみた

『死ぬほど、肉食べたい』

これを叶えるためには都合のいいイベントだ
世間からずれたとしても久しぶりの肉を目の前に手が震える
業務用の鉄板を家庭用に改造したプレートを取り出し火を入れる
炊飯器は特大サイズを3つ程、引っ張り出してご飯を満タンに焚き上げた
程よく温まったら適当に切った野菜を端から焼いていく
プレートの隅を使って肉も同時進行で焼いていく肉が焼けてきたら皿に下して次の肉を焼く
そこそこの物量が調理し終えた時点でいよいよ

「「「いただきます」」」

食事開始

「うま!!」
「久しぶり過ぎてマジヤバい」
「美味しい」

それぞれ食べ始めると本当に早いもので
調理も忘れずに互いが互いを助けるのはこういう時ぐらい
焼忘れの無いようにひたすら
焼いて、食べた

「「「ごちそうさまでした」」」

小一時間後に満腹になって
目の前の空になった食器類を見下して

「結構、食べたなー」
「久しぶりだったからなぁ」
「人目が無いから、つい」

三者三様で感想を言っているが

自分ご飯どんぶり10杯、肉5kg
彼 ご飯どんぶり07杯、肉3kg
彼 ご飯どんぶり05杯、肉2kg

なんか、本当にホワイトデーと言うイベントでも無いとできないな、と思った

2/2ページ
スキ