彼女達のバレンタイン


彼女の生態

“バレンタインデーなるもの”-2


スマホの画面を見ながら巨大な溜息
それとなくバレンタインの主旨を聞いたら

『チョコ、いっぱい食べれる日ー♪』

勘弁してくれ・・・
とりあえずもらう気満々の彼女の気持ちに答えてみようと帰り道にコンビニに寄ったが気まず過ぎて無理だった
二回目の巨大な溜息と共に向かったスーパー
勿論、バレンタインの特集でワゴンが凄いことになってる
それを横目にどうしたものかと考えていると
バレンタインとは別のワゴンに別の主旨のチョコがあった

“キットカ〇ト、一言応援団Ver”

これだぁぁああああ!!!

他にも“ポッ〇ー”、“〇ッポ”、“ダ〇ス”
普段のチョコレート商品がバレンタインとは別にメッセージを入れられる仕様になっていた
と言ってもどれも物量的に少ない
元々、消費量が異常なんだけど
思い付きで手に取った“キット〇ット”
せめて何かでガサ増ししないと・・・
籠の中に“キッ〇カット”一個でウロウロしながら
辿り着いた苺売り場
単価、高くてリンゴで妥協していたがこの際だ


「おかえりー♪」
「ただいまー、コレ」

スーパーの袋を彼女に手渡す
反応にビビりながら
スーツを片付ける
袋をあさる音が止んで
背後からタックルされた
今日、ラグビーの試合あったっけ?
(見るとすぐのに真似したがる彼女)
後ろから抱きついたままの彼女

「好きです!!」
「・・・・・ありがと」

“キッ〇カット”に書いた一言がそのまま返ってきた
その後、パック苺もキレイに彼女の口の中へ消えた


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