彼女の生態


彼女の生態

“嫌い、嫌いも甘いのうち”


「よく出来てる」
「でしょ♪」

巨大なチョコレートケーキを誇らしげにかかげる彼女
いつかのリバース事件の事などもう忘れてしまったと言わんばかり
チョコレートだけど色を白に変えたらちょっとしたウェディングケーキにもなりそう
本人にそのつもりは無いだろうけど
とは言え、作ったのは良いけどこの後どうすんの?

「食べまーす♪」
「ガンバー」

思わず出てしまった心の声に彼女が不満げな顔をする
別に不味そうとか思ってないって
あー、信じてない
結局、おこぼれをもらう形で一切れもらったは良いが
コレ、どう見てもノーマルのミルクチョコレートだろ!!
ホワイトも苦手だけど他のフルーツソースちっくなチョコレートも得意じゃないけど
ミルクも中々しんどい
隣で俺と同じサイズを5,6個頬張った彼女
食べない訳にもいかず
これを食べれば終わりだから、と言い聞かせて
食べてみる

「アレ?」
「どうしたの?」

甘くない?見た感じ、ミルクチョコレートに見えるそれ
それはビターで少しアルコールの香りもした
もしかして覚えてた?
俺の好み

「美味しかったー?」
「うん」

絶対、自分好みに甘く仕上げていたであろうものからの正反対に
複雑に返事をしてしまう
彼女は至極楽しそうだった

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