彼女の双子の姉の生態


彼女の双子の姉の生態


”時間を時間と呼ぶ理由”


「今日も起きない」
「目覚まし止まってないか?」

3人で生きていれば三者三様の生活がある訳で
自分達もそういう体で生活していた
だが、一人だけ時間と言う概念に縛られずに生きている人物がいる

「おはよう」
「・・・・」
「お、は、よ、う」

一言ずつ区切って伝えるも相手は起きる気配無し
それどころか布団を深く被ってたてこもりはじめた
二人の彼は眠りも目覚めも正反対
すぐに寝入って起きるキッチンに立つ彼
目の前で籠城して少し寝つきの悪い彼
とは言えそろそろ本格的に起こさないと
あと少しの学生生活が強制延長になってしまう
別にそれでも構わないが
将来の出遅れは後々の足枷になる事が稀にある
やはり、起こすべきだ
多少、強引になってしまったとしても


「俺、ここに来てからまともに起きてない気がする」
「そりゃ、お前」
「自業自得」

目覚めるまでの工程は割愛させてもらって
全員で朝食を囲む
文句を言いつつも味噌汁を片手に厚切りのベーコンを噛み潰す彼は微妙な顔をしていた
向かい合わせではないもののもう一方の彼は呆れた顔をしていて
とどめは自分が一言入れた
まだ、何か言いたそうな顔をしていたが自分の顔を真っ直ぐに見つめだした
もう一度、起こそうか?

「ついてる」
「?」

口の隅についていた欠片を指で取ってそのまま彼が食べる
勿論、指の持ち主は彼なわけで

「・・・・なんだろう、下した?」
「へ!?」
「は!?」

それが俗に言う《トキメキ》だと気づくのは大分、後だった
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