彼女の双子の姉の生態


彼女の双子の姉の生態


“無関心とは”


「無関心とはなんだろう」

最近、彼女がハマったらしい
言葉遊びの延長のようなそれ
一つの単語について深く考えるらしいがぶっちゃけ能力が無い俺には無理
ついでにアイツも脳は無いけど無いなりに必死に答えてみたり
あー、ハイハイ、ガンバレー
考えるフリをしながら、ヤッた後だと言うのに自分の身なりを整える様子もなく布団から上半身丸見えだった
絶景はオイシイいけどさ

「きっと世界が壊れてもソレが危険だと言う事に気付かない、気づける予兆に対してあえて目を背ける」

彼女が無関係だったら
きっと、
俺が
アイツが
死んでも気付かない
泣くこともしない
すがる事もしない
人ごみに流されないように
必死で俺とアイツの手を掴んできたり
料理ができるくせに積極性が欠けたせい(?)で一人になると何も食べない
《おかえりが言いたかった》から玄関で寝てみたり
帰り道が解らなくなったから警察に保護されてみたり
そういう時に限ってとんでもない距離を移動しるし
それが無関係になったら世界に興味を持たなくなって
自分のことも何も思わなくなる
きっとすぐ死ぬと思う
生きたい、と思う事が無くなるから
ゾッとして久しぶりに目が冴えた
思わず腕を掴んだ
不思議そうな顔をする
彼女とアイツに

「なんでも無い」


「そうしたら今頃、死んでるね」

今さっき考えていた事がバレたんじゃないかと思うように言われた一言が
核心をつかれたように動揺するが彼女は笑って言った

「二人に関心を持たれずきっとどこかで消えてしまうんだろうね」

こんだけ人の心を揺さぶっておいてそんな事を言うのだから本当質が悪い
それ以前に俺達が無関心になりすぎて死んでるって、マジで
彼女の居ない世界で無関心になれても
彼女が居る世界で無関心になんて絶対なれない


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