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「戒くんなにしてんの?」
先程からベアキーをいじって、なにやら試行錯誤している戒を不思議がって葵が尋ねた。
「んー、インスタに上げる写真撮ろうと思って!」
「いい年した大人がクマの人形いじってたら不審者みてえ笑」
「うるさいなーれいちゃんは!」
れいたにからかわれつつ、構図を考える戒。
「あ、これ良いかも…
よし!ねえ見て、二人とも」
窓を見つめるベアの写真。背中がなんとも愛らしい。
「おー、可愛やん、いいね〜」
「投げやりだな!笑」
「あいつが喜びそう」
「あは、うっさん?」
「おう」
「俺、まえ新幹線の席隣だったけど、あいつ戒くんのことばっか喋んの。エグいねあれは…」
「愛されてんね〜戒くん」
「んふふ、まあね!笑」
あ、そうだ、と戒は何か思いついたようで、カバンを探り出す。取り出したのは麗のベアキーだった。
「2つ並べて撮ろーっと」
((戒くんそれは…あざとすぎる…))
れいたと葵の思いがシンクロする。
ベアが2つ、寄り添った写真を見て、戒くんを愛してやまない麗がどんな反応をするかは容易に想像できた。狂喜乱舞して、誰彼構わず惚気るだろう。
「うっさんどんな反応するかな〜♪送信っ!」
面白がる戒を横目に、2人はルキに同情した。
..........
ルキ受難