このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

UK

ドラムに腰掛けて、脱力する。溜め息がまた一つ。
なにを試してもしっくりこない。
作品のアプローチがつかめず、焦りが募る。
 
「戒く〜ん」

おれの焦りとは裏腹の間延びした声を出しながら、麗が近づいてくる。こっちの気も知らないで…と、ちょっと苛立って返事をする。

「…なに?」

「休憩にしよ」

にっこり笑う麗の顔に見惚れそうになるが、そんな場合ではない。
おれはいいよ、と言う前に唇を奪われた。

柔らかい感触が心地いい。愛しい人のそれならなおのこと。
張り詰めていた気持ちが解れていく。
そして、熱を帯びた体は無意識に彼の体を引き寄せた。

「責任は取ってよね」

「ふふ、任せて」

2/9ページ
スキ