ととモノ3D
「……雨の日の放課後って、どうしてこの世で一番つまらないと感じてしまうんだろう。天気ひとつで面白さの正反対と成ってしまうんだろうねえ……」
「土砂降りの雨だから探索できない、暇だね」
「でも、放課後になってすぐに帰るのもつまらないのです」
「暇つぶしに何かして遊ぶ? 遊んじゃう? 面白いことしよしよ!」
「またジェンガ大会しようよ。また夜中まで白熱した戦いがしたいな、私」
「白熱しすぎて宿の人に怒られたアレだね……その体験は二度としたくないかも……」
「僕に良い案がある。学校で大会をしてしまえば宿の人に叱られる要素は完全に排除できる。つまり無限ジェンガ編が始まるということに他ならない!」
「先生とか用務員さんに怒られるよぉ!?」
「勝手に大会していろ」
「……なにアホなこと話してんだ……? お前ら……」
「うわっコバエだ」
「おや、オズさんにリーヤさんではありませんか」
「リーヤちゃんたちも暇なのです? 一緒なのです!」
「あまり嬉しくない共感ねそれ。私は借りていた本をことりに返しにきただけよ。はいこれ」
「ありがと。今から何かしら遊ぶつもりなんだけど、リーヤちゃんたちも一緒にどうかな?」
「当然のように巻き込むのね」
「いや勉強しろよお前ら……」
「では何をしましょうか? そこにいる奴を呪う儀式とかでも構いませんよ? むしろ推奨しますが」
「コイツを祟る術式を開発するのはどうだ? 勉強よりも有意義な時間を過ごせるはずだぞ」
「呪いを遊びの一環にしないでよ二人とも!?」
「呪いよりもすごろくがいいな、すごろくしようよ」
「おぉ〜! 久しぶりにいいですねすごろく! ことりちゃん、それいつも持ち歩いているのです?」
「たまたま持ってきてただけだよ」
「学校にすごろくをかよ!? 持ってくんなそんなもん!」
「普通のボードゲームだとスイミーくんが無双しちゃうから運要素が強いすごろくがベストなんだよ。お手頃かつ楽しく遊べるからちょうどいいんだよ? だからいつでもできるようにこっそり持ち込んでるんだ」
「俺が知りたいのはそれじゃなくてな……?」
「いえーい! モノポリーとかで負けたことないよーん!」
「お、お前……」
「なんでそこどん引くのさコバエのクセに」
「虫は関係ねーだろ!?」
「で? どんなすごろくを持ってきたのかしら?」
「赤ちゃんから老人までの人生を追体験できるすごろく」
「は?」
「あっ! それ神様にもウケが良かったやつなのですね!」
「そうだね“人とはこのように人生を謳歌するのか……”って感心してたっけ。なんとなく覚えてる」
「ゲームだというのに感激していましたね。万物の象徴たる神でも、人の営みの全てを把握していないという新たな知見を得ました」
「全能だからってなんでも知ってるってワケじゃないってことだったね。てか最近は連絡すらしていないけど、元気にしてるかなぁ神」
「この世界に行くことは伝えてあるんだ。案外、俺たちの行動を把握しているのかもしれんぞ」
「い、言えてるね……知っててもあんまり驚けないかも……」
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て神って何だお前ら」
「神様は神様なのです。オズくんはフェアリーなのに神様を知らないのですか?」
「いや神ぐらいは知ってっけど? 会ったことはねえけど……そうじゃなくてな? なんでお前らがそうナチュラルに神がどうのこうの言ってんの? なんかの隠語とかじゃなくて?」
「そんな訳ないしー。てか隠語を使うならもっと角の立たないやつにするしーリスク管理はちゃんとしてますー」
「んん? 神様を隠語として使うのってリスキーなの?」
「熱心な信仰者であれば神を隠語として扱うだけでも神への冒涜とみなしますからね。そういった方々を敵に回すのは魔物の軍勢と戦うよりも厄介ですよ」
「ルンルンちゃんの言い回しは分かりやすいね」
「はい!!」
「……で? 隠語じゃないとするなら本当に神と顔見知りてことよね? どうしてなのよ」
「えっとですねー、向こうの世界で珠みたいなのを集めて合体させたら神様が出てきたから倒したのです!」
「はぁ?」
「倒した? 神を? 意味わかんねえんだけど?」
「あんまり強くなかったよ?」
「向こうとしては遊び感覚だったみたいだし、強くなくて良かったと思うよー僕は」
「めちゃ手加減してもらったってことか……」
「なんだ。本当に滅したりとか深傷を負わせたとかじゃないのね。つまらないわ」
「お前……神に何かしらのダメージでも与えて欲しかったのか? 何のために」
「神を傷つける方法が確立されていたらいいなあと思っただけよ。いつか使う力かもしれないし」
「そんな力を使おうとするな。滅して欲しいのか、神を」
「神の種類によるわ」
「種類って……神様に種類なんてあるの……? 魔物の分類みたいな感じに……?」
「あるに決まってるでしょ。破壊神様が万能かつ素晴らしい方でも世界の全ての責任を担うことはできなかったから、たくさんの神を生み出して役割分担させたのよ。八百万の神とか言うでしょ」
「そ、そっかぁ……」
「リーヤちゃんがハカイシンサマを比較に出しているあたり、本気の発言と見たね!」
「そのようだな」
「へえ……ち、ちなみにアタシたちが戦ったのは万物を想像する神様みたいなんだけど、それってリーヤちゃん的には……」
「あ゛?」
「ぴぃっ!?」
「おおっとぉ!? リーヤちゃんが今までに見たことないぐらい鋭い眼光をトパーズちゃんへ飛ばしているぞぉ! これは一体どういうことででしょうか! 解説のコバエさん!」
「お前はボケ一つでも俺をイラつかせねぇと気が済まねえの? ってかそれぐらい簡単だろ? 姐御は破壊神様を崇拝してんだぞ? それと真逆の存在である創造神を忌み嫌うことぐらい想像つくだろうが」
「まあ。とても分かりやすい解説ですね。同時に納得です」
「……俺たちが考えている以上に熱心な信者だったんだな、お前は」
「リーヤちゃんはそれぐらい破壊神サマが大好きだってことなのですね!」
「当たり前でしょう。今まで私の何を見てきたのよ」
「あ、姐御? まさかとは思うけど、嫌いな嫌いな創造神がいるからって、今からコイツらが元いた世界に殴り込みに行くとか言わないよな? なっ?」
「言わないわよ。久しぶりに腹の立つ名前を聞いてイラっとしただけ。そもそも、わたしが殺したい創造神とあの子たちが手合わせした創造神は別物でしょうし。殴っただけで手が疲れるだけよ」
「神をぶん殴ることは前提なんすか姐御」
「ほえー同じ神様でもいっぱいいるのです?」
「次元ごとに管理している神がいるはずよ。たぶん」
「そこは、たぶん……なんだ……?」
「って、あれ? そういえばことりちゃんがさっきから会話に参加してなくない?」
「ホントなのです。おトイレにでも行ったのです?」
「……いや、隅の方で」
「すやすや」
「立ったまま寝ているな」
「器用ね、あの子」
「ぎゃあ! ことりちゃん!? 何やってるの!?」
「んー……? もう、晩御飯……?」
「まだ全然放課後だっつーの。なんで会話の途中で寝てんだよお前」
「雨の音が気持ちよくてついウトウトしちゃって……」
「感性がほぼ幼児じゃねえか」
「わかりました! 自然界の声に耳を傾け、自身がその自然と一体化していると擬似的に思い込むことによって世界における壮大な存在として君臨できるという前触れを!」
「お前はお前で理解できそうにねえ自論を繰り出してんじゃねぇ! なんだそれ!?」
「思い込みと思い込みが重なって無茶苦茶な理論になってるよルンルンちゃん! 帰ってきて!」
「バムくん翻訳してー僕は無理」
「できてたまるか」
「自然界うんぬんはともかくとして、ことりちゃんはどこでもお昼寝できるのですね。もはや才能なのですよ」
「うん、寝たいなあって思ったらどこでも寝れるんだよね。今度試してみる? 戦闘中とか」
「命を張った実験はやめて本当にやめて!」
「トパーズちゃんがそこまで言うならやめるね」
「……で? 何の話をしていたのです?」
「あらあらネネイさんのうっかりさん。そこのディアボロスを呪うことについてのお話ですよ」
「あの白羽セレスティアを祟るという話だぞ」
「物騒な原点回帰もあったものね」
「ちょっと面白そうではあるけどね? トパーズちゃんが睨んでるから話は進めない方針で行くけど……もっと生産性のある話とかしたいなー」
「って言いながらこっち見てんじゃねぇよクソノーム」
「え? 呪ってしまえば奴を仕留められますよ?」
「祟ってしまえば直接手を下す手間が省ける」
「意地でも意見を変えないよね君たちぃ」
「お前らは一生その話をしてろなのです」
「平和な話にしようよ……今日の晩御飯のこととか、明日の探索のこととか……」
「晩御飯はオムライスがいいわ。卵がとろとろのやつ」
「卵がとろとろのやつなのですね! いいのですよ!」
「爆速で決まっちゃったなあ、僕はエビグラタンがよかったのに」
「諦めろ。姐御が言い出したら絶対にオムライスだ、卵がとろとろのやつ」
「あ。雨が止んだよ」
「えっホントだ! さっきまであんなに降ってたのに……わぁ、雲の隙間から差し込んでくる日差しが綺麗……」
「雨が止んだと言うことは冒険に行けるということなのですね!」
「いやーもういいんじゃない? 明日の朝から探索に行く申請もう出しちゃったし、今日ぐらいは休んでも」
「えー仕方ないのですねぇ」
「なら、今からどうする」
「じゃあ買い出しに付き合えなのです! 晩御飯のオムライスを食いたいやつだけついて来るのです!」
「行く」
「行きます」
「行くぞ」
「ついてきまーす♪」
「絶対に行くわよ」
「俺もー」
「…………」
「トパーズちゃん? オムライスいらないの?」
「い、いるいる! いるよ! アタシも一緒に行く!」
「……しれっとリーヤちゃんたちが晩御飯に混ざっている件については……? どうなの……?」
2025.11.24
「土砂降りの雨だから探索できない、暇だね」
「でも、放課後になってすぐに帰るのもつまらないのです」
「暇つぶしに何かして遊ぶ? 遊んじゃう? 面白いことしよしよ!」
「またジェンガ大会しようよ。また夜中まで白熱した戦いがしたいな、私」
「白熱しすぎて宿の人に怒られたアレだね……その体験は二度としたくないかも……」
「僕に良い案がある。学校で大会をしてしまえば宿の人に叱られる要素は完全に排除できる。つまり無限ジェンガ編が始まるということに他ならない!」
「先生とか用務員さんに怒られるよぉ!?」
「勝手に大会していろ」
「……なにアホなこと話してんだ……? お前ら……」
「うわっコバエだ」
「おや、オズさんにリーヤさんではありませんか」
「リーヤちゃんたちも暇なのです? 一緒なのです!」
「あまり嬉しくない共感ねそれ。私は借りていた本をことりに返しにきただけよ。はいこれ」
「ありがと。今から何かしら遊ぶつもりなんだけど、リーヤちゃんたちも一緒にどうかな?」
「当然のように巻き込むのね」
「いや勉強しろよお前ら……」
「では何をしましょうか? そこにいる奴を呪う儀式とかでも構いませんよ? むしろ推奨しますが」
「コイツを祟る術式を開発するのはどうだ? 勉強よりも有意義な時間を過ごせるはずだぞ」
「呪いを遊びの一環にしないでよ二人とも!?」
「呪いよりもすごろくがいいな、すごろくしようよ」
「おぉ〜! 久しぶりにいいですねすごろく! ことりちゃん、それいつも持ち歩いているのです?」
「たまたま持ってきてただけだよ」
「学校にすごろくをかよ!? 持ってくんなそんなもん!」
「普通のボードゲームだとスイミーくんが無双しちゃうから運要素が強いすごろくがベストなんだよ。お手頃かつ楽しく遊べるからちょうどいいんだよ? だからいつでもできるようにこっそり持ち込んでるんだ」
「俺が知りたいのはそれじゃなくてな……?」
「いえーい! モノポリーとかで負けたことないよーん!」
「お、お前……」
「なんでそこどん引くのさコバエのクセに」
「虫は関係ねーだろ!?」
「で? どんなすごろくを持ってきたのかしら?」
「赤ちゃんから老人までの人生を追体験できるすごろく」
「は?」
「あっ! それ神様にもウケが良かったやつなのですね!」
「そうだね“人とはこのように人生を謳歌するのか……”って感心してたっけ。なんとなく覚えてる」
「ゲームだというのに感激していましたね。万物の象徴たる神でも、人の営みの全てを把握していないという新たな知見を得ました」
「全能だからってなんでも知ってるってワケじゃないってことだったね。てか最近は連絡すらしていないけど、元気にしてるかなぁ神」
「この世界に行くことは伝えてあるんだ。案外、俺たちの行動を把握しているのかもしれんぞ」
「い、言えてるね……知っててもあんまり驚けないかも……」
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て神って何だお前ら」
「神様は神様なのです。オズくんはフェアリーなのに神様を知らないのですか?」
「いや神ぐらいは知ってっけど? 会ったことはねえけど……そうじゃなくてな? なんでお前らがそうナチュラルに神がどうのこうの言ってんの? なんかの隠語とかじゃなくて?」
「そんな訳ないしー。てか隠語を使うならもっと角の立たないやつにするしーリスク管理はちゃんとしてますー」
「んん? 神様を隠語として使うのってリスキーなの?」
「熱心な信仰者であれば神を隠語として扱うだけでも神への冒涜とみなしますからね。そういった方々を敵に回すのは魔物の軍勢と戦うよりも厄介ですよ」
「ルンルンちゃんの言い回しは分かりやすいね」
「はい!!」
「……で? 隠語じゃないとするなら本当に神と顔見知りてことよね? どうしてなのよ」
「えっとですねー、向こうの世界で珠みたいなのを集めて合体させたら神様が出てきたから倒したのです!」
「はぁ?」
「倒した? 神を? 意味わかんねえんだけど?」
「あんまり強くなかったよ?」
「向こうとしては遊び感覚だったみたいだし、強くなくて良かったと思うよー僕は」
「めちゃ手加減してもらったってことか……」
「なんだ。本当に滅したりとか深傷を負わせたとかじゃないのね。つまらないわ」
「お前……神に何かしらのダメージでも与えて欲しかったのか? 何のために」
「神を傷つける方法が確立されていたらいいなあと思っただけよ。いつか使う力かもしれないし」
「そんな力を使おうとするな。滅して欲しいのか、神を」
「神の種類によるわ」
「種類って……神様に種類なんてあるの……? 魔物の分類みたいな感じに……?」
「あるに決まってるでしょ。破壊神様が万能かつ素晴らしい方でも世界の全ての責任を担うことはできなかったから、たくさんの神を生み出して役割分担させたのよ。八百万の神とか言うでしょ」
「そ、そっかぁ……」
「リーヤちゃんがハカイシンサマを比較に出しているあたり、本気の発言と見たね!」
「そのようだな」
「へえ……ち、ちなみにアタシたちが戦ったのは万物を想像する神様みたいなんだけど、それってリーヤちゃん的には……」
「あ゛?」
「ぴぃっ!?」
「おおっとぉ!? リーヤちゃんが今までに見たことないぐらい鋭い眼光をトパーズちゃんへ飛ばしているぞぉ! これは一体どういうことででしょうか! 解説のコバエさん!」
「お前はボケ一つでも俺をイラつかせねぇと気が済まねえの? ってかそれぐらい簡単だろ? 姐御は破壊神様を崇拝してんだぞ? それと真逆の存在である創造神を忌み嫌うことぐらい想像つくだろうが」
「まあ。とても分かりやすい解説ですね。同時に納得です」
「……俺たちが考えている以上に熱心な信者だったんだな、お前は」
「リーヤちゃんはそれぐらい破壊神サマが大好きだってことなのですね!」
「当たり前でしょう。今まで私の何を見てきたのよ」
「あ、姐御? まさかとは思うけど、嫌いな嫌いな創造神がいるからって、今からコイツらが元いた世界に殴り込みに行くとか言わないよな? なっ?」
「言わないわよ。久しぶりに腹の立つ名前を聞いてイラっとしただけ。そもそも、わたしが殺したい創造神とあの子たちが手合わせした創造神は別物でしょうし。殴っただけで手が疲れるだけよ」
「神をぶん殴ることは前提なんすか姐御」
「ほえー同じ神様でもいっぱいいるのです?」
「次元ごとに管理している神がいるはずよ。たぶん」
「そこは、たぶん……なんだ……?」
「って、あれ? そういえばことりちゃんがさっきから会話に参加してなくない?」
「ホントなのです。おトイレにでも行ったのです?」
「……いや、隅の方で」
「すやすや」
「立ったまま寝ているな」
「器用ね、あの子」
「ぎゃあ! ことりちゃん!? 何やってるの!?」
「んー……? もう、晩御飯……?」
「まだ全然放課後だっつーの。なんで会話の途中で寝てんだよお前」
「雨の音が気持ちよくてついウトウトしちゃって……」
「感性がほぼ幼児じゃねえか」
「わかりました! 自然界の声に耳を傾け、自身がその自然と一体化していると擬似的に思い込むことによって世界における壮大な存在として君臨できるという前触れを!」
「お前はお前で理解できそうにねえ自論を繰り出してんじゃねぇ! なんだそれ!?」
「思い込みと思い込みが重なって無茶苦茶な理論になってるよルンルンちゃん! 帰ってきて!」
「バムくん翻訳してー僕は無理」
「できてたまるか」
「自然界うんぬんはともかくとして、ことりちゃんはどこでもお昼寝できるのですね。もはや才能なのですよ」
「うん、寝たいなあって思ったらどこでも寝れるんだよね。今度試してみる? 戦闘中とか」
「命を張った実験はやめて本当にやめて!」
「トパーズちゃんがそこまで言うならやめるね」
「……で? 何の話をしていたのです?」
「あらあらネネイさんのうっかりさん。そこのディアボロスを呪うことについてのお話ですよ」
「あの白羽セレスティアを祟るという話だぞ」
「物騒な原点回帰もあったものね」
「ちょっと面白そうではあるけどね? トパーズちゃんが睨んでるから話は進めない方針で行くけど……もっと生産性のある話とかしたいなー」
「って言いながらこっち見てんじゃねぇよクソノーム」
「え? 呪ってしまえば奴を仕留められますよ?」
「祟ってしまえば直接手を下す手間が省ける」
「意地でも意見を変えないよね君たちぃ」
「お前らは一生その話をしてろなのです」
「平和な話にしようよ……今日の晩御飯のこととか、明日の探索のこととか……」
「晩御飯はオムライスがいいわ。卵がとろとろのやつ」
「卵がとろとろのやつなのですね! いいのですよ!」
「爆速で決まっちゃったなあ、僕はエビグラタンがよかったのに」
「諦めろ。姐御が言い出したら絶対にオムライスだ、卵がとろとろのやつ」
「あ。雨が止んだよ」
「えっホントだ! さっきまであんなに降ってたのに……わぁ、雲の隙間から差し込んでくる日差しが綺麗……」
「雨が止んだと言うことは冒険に行けるということなのですね!」
「いやーもういいんじゃない? 明日の朝から探索に行く申請もう出しちゃったし、今日ぐらいは休んでも」
「えー仕方ないのですねぇ」
「なら、今からどうする」
「じゃあ買い出しに付き合えなのです! 晩御飯のオムライスを食いたいやつだけついて来るのです!」
「行く」
「行きます」
「行くぞ」
「ついてきまーす♪」
「絶対に行くわよ」
「俺もー」
「…………」
「トパーズちゃん? オムライスいらないの?」
「い、いるいる! いるよ! アタシも一緒に行く!」
「……しれっとリーヤちゃんたちが晩御飯に混ざっている件については……? どうなの……?」
2025.11.24
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