番外編2
ヘッドフォンをしてガチ音ゲー中の大倶利伽羅。
彼は音ゲー中に話しかけるとだいたいキレる。音ゲーガチ勢まじ怖い。
あと、音ゲーしてるときに間違えるとつい首傾げちゃうアレ、私もよくやっちゃうんだけどアレ謎だよねぇ。なんかつい首を傾げてしまう。
あ、大倶利伽羅も首傾げた。どうやらミスったらしい。と、思ったら今度は舌打ち。どうやら成績があまりよくなかったようだ。
舌打ちしてると本当にただの不良にしか見えないよ君。
ふと目が合って、大倶利伽羅がヘッドフォンを外した。赤と黒のヘッドフォンはよく彼に似合ってると思う。我ながら良いものを買ってあげたぜ。
「…なんだ」
「いや、音ゲー楽しそうだなーっと思って」
そしてふと思い出す。
「そういえば大倶利伽羅って、外で燭台切光忠?と会った時、ゲーム中に話しかけられてよくキレなかったよね」
「キレはしなかったがその代わり話を全く聞いてなかったな」
予想以上に酷い内容だった。適当に頷いたっていうのは本人が言ってたけどまさか本気で話聞いていなかったとは…
「うわあ…なんだそれ酷すぎる…」
「光忠の話より音ゲーのほうが大事だった」
燭台切っちゃった系男士のあの人に同情するレベルである。
うっかりピカチュウって呼びそうになったぐらいだもんね…
本当にあの時呼び間違いを起こさなくてほっとしたよ。
そしてまたカチカチと指を器用に動かして音ゲーをはじめたのでそれを見つめる。
電子の歌姫ちゃんが歌って踊ってとても可愛らしいが飛んでくる譜面がえげつない。
あと吃驚なのが大倶利伽羅ってばちゃんと歌姫さんの衣装変えてあげているのである。
大倶利伽羅のことだからデフォルト衣装で遊んでるのかと思ってた。
「はー…器用だねえ」
パーフェクトでクリアした大倶利伽羅はどこか誇らしげに見える。
「主、浦島がカラオケやってみたいって」
「ああ、今行くー」
大倶利伽羅は?と聞こうとしたけど無言でゲーム機の電源を落としたのでどうやら参加するらしい。
自分よりも大きなその手を引っ張って私はカラオケ部屋に足を進めた。